わかっているのは業者側だけ?〜人材派遣の用語
初めて利用する人間には、わからない言葉だらけ
人材派遣と労働者供給について
人材派遣にかかわる言葉は、「初めて聞いた」「意味がよくわからない」ということが多いでしょう。
そういった言葉はいくつもあるのですが、一番根本にあるのは、「人材派遣」「労働者派遣」「労働者供給」の違いです。
労働者供給は、江戸時代から戦後間もなくまであったものです。人を抱え込んだ業者側が、必要に応じてその人を貸し出した形です。中間搾取や強制労働の温床になっていました。
「人入れ稼業」といった言い方もします。「ヤクザがやっていた」といわれるものがこれです。
今のものは「労働者派遣」が正しい言い方です。法律も「労働者派遣法」となっています。昔の労働者供給の反省から、当初は派遣業者や派遣先側にはいろいろと制約がかかっていました。
「労働者」は今はあまり流行らない言い方です。少し汗臭いようなイメージがあるのも確かです。そこで、「労働者派遣」よりもマシな言い方を業者らがするようになりました。それが「人材派遣」です。
「人材」といえば、「スキルを持っている」といったイメージがある分、マシに聞こえます。
つまり、全近代的なひどいものだったのが「労働者供給」、それをよくしたものが「労働者派遣」。労働者派遣と同じものだけど、耳障りをよくしたのが、「人材派遣」です。
限りなく労働者供給に近づいている人材派遣
ただし、労働者側を守るためにあった、人材派遣法による制約も、年々取り払われるようになってきました。また、人材派遣会社の方では、無視してしまうことも少なくありません。
無視されてしまうものの一例を挙げると、「事前面接の禁止」です。労働者派遣法では、派遣先は派遣さんの採用・不採用にはかかわってはいけないのです。事前にその人の個人データをチェックするのも禁止です。人材派遣会社から派遣先に履歴書を手渡してもいけません。
ですが、こんなこと守っている人材派遣会社&派遣先は、ほとんどありません。
つまり、このことからわかるのは、「労働者派遣だ、人材派遣だの言い方を変えたところで、実際の中身は中間搾取や強制労働が当たり前だった労働者供給にどんどん近づいている」です。
実体のない言葉「ブラックリスト」まで独り歩きしている
「偽装請負(偽装派遣)」も人材派遣では多いトラブルです。ですが、「何が請負か」がわかっていないと、それが偽装された状態もわかりません。
また、だれも見たことがないはずなのに、あるかのようにいわれている「ブラックリスト」なるものまであります。得体(えたい)がしれないし、語感がどぎついので、それにビビってしまう人もいます。
これらの用語とその中身を知らないままでは、派遣会社や派遣先のやりたいままです。問題になってから慌ててチェックせずに、基本的な用語は押さえておきましょう。
11.人材派遣の用語 |
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