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資格というほどの資格ではない。講習も申し訳程度
人材派遣会社側でスタッフの雇用管理をしているのが、「派遣元責任者」です。
これは何もあなたの担当者として、顔を合わせている社員とは限りません。
私が使ったのは中小の業者だったため、社長本人がこの派遣元責任者でした。五か月働いて、一度も会ったことがありません。
【3分の2の業者が法律を守れない・守らない】
人材派遣会社は、法律で決められたことがまともにできない方が多数派です。
たとえば、平成24年度・東京労働局「労働者派遣事業及び職業紹介事業の指導監督状況」を見ると、「指導監督実施事業所数(労働者派遣事業)2011件」に対し、「是正指導を行った延べ事業所数(労働者派遣事業)1331件」です。
「延べ」とはなっていても、繰り返し入るわけではないようで、「是正指導を行った割合」としても「66.2パーセント」となっています。
つまり「労働局がチェックに入れば、3分の2の人材派遣会社で、違反が見つかる」わけです。
これはよその業界では見られない異常な高率でしょう。
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【直接かかわる仕事をしているのが、派遣元責任者】
その人材派遣会社の側で、職務の中心にいるはずなのが、派遣元責任者です。
役割としては、「就業条件等の明示」「派遣元管理台帳の作成、記載及び保存」「派遣先との連絡調整」などです。
つまり、これらがまっとうにはできず、「責任者」などといった名称がついていても、法律が分かっていない・守る気がないといった人が大半だ………ということを表しているのが、先の数字でしょう。
【ヤクザでさえなければいいのか?】
この派遣元責任者になるための条件というのも規定されています。
目についたものを挙げると……
「住所及び居所が一定しない等生活の根拠が不安定でないものであること」
「不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのないものであること」
「公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行う恐れのないものであること」
……といったものがあります。これは“意訳”すると「ヤクザではない人間」と読めるのですが、どうでしょうか?この程度のことを満たせばいいのです。
【資格のための講習は、たった1日。それも3年に1度だけ。試験もなし】
もう一つ、挙げると「派遣元責任者講習を受講して3年以内であること」という条件もあります。
この講習の内容は、「労働者派遣法」が2時間、「労働者派遣事業認定の状況、及び派遣元責任者の職務上の留意点等」が1時間10分、「派遣事業における現状と問題点」が50分といった程度ものです。朝行って夕方には終わります。
講習は受けただけで「受講証明」が出ます。理解したかかどうかの試験もないのです。
また、この受講の必要があるのは、「一般労働者派遣事業の事業者」つまり「登録型」を扱うところのみです。「特定労働者派遣事業」つまり「常用型」ならば、これさえ不要です。
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