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業界最古の業者でも、労働者派遣法違反の常習犯
「求人内容・契約内容と実際の仕事が違う」というのは、決して珍しくありません。
ネット上を見れば、その理由で「すぐにやめたい」という投稿者の相談は無数にあるでしょう。
が、相談が目的なので、その詳細はなかなか分かりません。
なので、「内容も信用できるもの」ということで、厚生労働省が処分を発表したものから、いくつか例を見てみます。
【是正指導41件でも改善されず、とうとう事業改善命令】
まず、「マンパワー・ジャパン」(横浜市西区)が、神奈川労働局から、平成22年(2010年)6月に「契約と実態が違う」などとして、事業改善命令を受けた件です。
処分の対象となった人材派遣は、①平成18年7月~22年3月の東京都内、②21年10~22年3月の広島の、二件あります。
これは文字通り、氷山の一角です。この事業改善命令の前に、平成16年4月以降、同様の違反で41件の是正指導を受けています。
完全な常習犯・確信犯と考えていいでしょう。
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【パソコンでの事務作業のはずが、電話番やらトイレ掃除】
ほぼ同じ内容ながら、まず東京の件で見てみます。
契約の上での仕事内容は「事務用機器操作」と「ファイリング」です。
ちなみに、厚労省の考える「事務用機器操作」は「パソコンを使い、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用した作業」、「ファイリング」は「高度な技術・経験を利用し、分類基準に従って整理保管」といったことです。
で、実際の仕事は「事務機器操作のほか、旅券の手配、旅費の精算、集金、代表電話に掛かってきた電話の取り次ぎ、郵便物の社員への配布、派遣先全体の郵便物の取りまとめ及び投函……会議の準備・片付け等」です。
つまり、事務所の中の「何でも屋」「雑用係」として使われた、ということでしょう。
広島の場合は、トイレ掃除や洗濯まで入っていました。
【マンパワー社は外資系、日本最古、業界6位】
マンパワー・ジャパンは米系企業で、昭和41年(1966年)に日本に進出しています。平成23年に改称し、今は「マンパワーグループ」と名乗っています。
日本進出当時、人材派遣(労働者派遣)は禁止されており、「事務処理請負業」ということにはしていました。が、実質的には日本で最初の人材派遣業者です。また、現在でも業界6位(2012年)です。
【「大手でも信頼できない」なによりの証拠】
この時の違反は、東京、広島両方を合わせると10項目になります。もうひとつだけ採り上げると、東京の場合、この業務内容であれば、派遣期間の限度は3年以内なのに、それを超えています。
よく、業者の紹介をするサイトでは、「中小だといい加減なところもあります。大手ならば、社員の質も高く、しっかりとサポートしてくれるでしょう」などと解説していることがあります。
ウソです。日本で最も老舗(しにせ)でも、このインチキさです。
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