派遣先にすれば、人集めは人材派遣会社任せ。いい加減な仕事内容の説明でも、あとはやってくれる

私の時も、「目視による簡単な検査」のはずが実際には力仕事の出荷作業

人材派遣のトラブルで最も多いのが、「求人広告、あるいは登録面接・事前面接の時の話と、実際の仕事内容が違う」です。

これも、行った最初から違っている場合もあれば、途中で担当する仕事を変えられたり、場合によっては勤務先まで変えられる場合まであります。

私が行った電子部品工場では、当初の説明は「目視による簡単な製品の検査」でした。ですが、実際には、その検査をやっているのとは別の建物で、「機械による検査+出荷作業」でした。大半が力仕事です。

まだその時は、人材派遣について何も知りませんでしたが、それまでの社会人経験から、「これは問題がある」と判断しました。それで、「自分の仕事内容はこれでいい。でも、求人広告は、きちんとしておいたほうがいいのではないか」と、派遣会社の営業さん（担当者）と派遣先の両方に、と申し入れました。

担当さんからは、「募集広告の説明を変えました」とは言われたものの、問題があるとは思っていないようでした。その程度のことは常にあるのでしょう。

派遣先の方は、「来てもらったからには、『この仕事だけしていればいい』というものではない」との反応でした。最初から、「来させるだけ来させて、何をやらせるかは、後から考える」のつもりだったようです。

「おそらくは」としかいえないのですが、こういった派遣先は少なくないでしょう。

派遣さんを依頼する企業やお店で、人手が足りているはずはありません。正社員がいる中で、派遣さんを大事にする理由もありません。どうせ、短い付き合いなのです。

また、もう少し、マネジメントがきちんとできるようならば、派遣さんではなくパート・アルバイト、契約社員などを使うはずです。人材派遣会社の取り分があるせいで、人を使う側にすると割高なのです。

もちろん、その企業なりに「派遣を使うほうが有利」と考える場合があるかもしれません。ですが、可能性としてはかなりルーズなところが派遣を利用する可能性も高いのです。

派遣さんにすれば、数ある募集の中から、それを選んだのには理由があったでしょう。

「時給は安いが、仕事は楽そう」「危険はなさそう」「全く未経験の自分でもやれる」……などと判断もしたはずです。

ですが、これでは「開けてびっくり玉手箱」です。そこから数か月、割に合わないことをやらされるかもしれません。

たとえバックレされても、そのバックレした人ばかりを責めるわけにもいきません。実際に、その電子部品工場では、私がいた５か月間に送られてきた５人が連続して、たった１日で来なくなりました。

また、パート・アルバイトなどならば、ここまで求人広告と実際の仕事がずれることは少ないでしょう。

というのは、こちらは実際に雇う側と仕事で使う側が同じになる直接雇用です。ウソをついた当人と、ウソをつかれた当人が日々顔を合わせます。

一方、人材派遣は間接雇用です。雇い主であり、その求人を出すのは派遣会社、実際に人を使うのは派遣先です。分かれているのです。

派遣先にすれば、「○月から何人欲しい」といい、仕事内容は適当にいえば、後は人材派遣会社がやってくれます。いい加減だったりウソの仕事内容でも、自分の口で応募者らに説明するわけではありません。

人材派遣会社の方は、人数をできるだけ送り込み、派遣料金をその分もらうのに躍起です。「派遣先からいわれた仕事内容が本当かどうか」などほとんど関心はないでしょう。

こうして、「募集では、『パソコンを使った事務』だったのに、便所掃除から、弁当の買い出しまで。事務所内の雑用は全部。パソコンなどほとんどいじることはない」「事務の募集だったのに、工場のラインにつかされた」といったことが起こるのです。

8.仕事内容が違う実例

それでも人材派遣会社を利用するなら

「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る

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非正規（パート・アルバイト、派遣社員）から正社員になるには

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