- TOP
- 人材派遣を知る
- 人材派遣の用語
- 競合
相手に会わせたり、履歴書を送って、同業他社同士が争う。それで十分、派遣法違反
文字通り「競い合う」ですから、日常の色々な場面で使われる言葉です。
人材派遣の世界で使われると問題ありです。何重にも労働者派遣法を違反している可能性があります。
が、現実には当たり前のごとく行われています。
【事前にスタッフの中で競い合って、一人だけ送り込む分には問題はない】
「競い合う」のが、同じ○○人材派遣会社で面接を受けた、Aさん、Bさん、Cさん。人材派遣会社の判断でAだけを選んで、派遣先に送り込んだ……というのであれば、問題はありません。
「人材派遣会社の判断で」というのがキーです。「Bさん、Cさんに関しては、派遣先はその存在さえ知らない」というのが本来のあるべき姿です。
折りたたむ
【問題になるのは、採用・不採用の決定を派遣先がする場合】
問題になるパターンはいくつか考えられるでしょう。
①最初から必要なのは一人だけ。「面談」や「見学」で、Aさん、Bさん、Cさんが派遣先の人と会った。その結果、Aさんだけが残った。
②人材派遣会社から派遣先にその人に関する情報が送られていた。あるいは、履歴書そのものがファクスやコピーで相手に渡っていた。それをチェックしての結果、Aさんだけが面談に呼ばれた。
③必要なのは一人。○○人材派遣会社からはAさん、△△人材サービス社からDさん、××スタッフ社からEさんが、面談を受けた。結果、Aさんだけが働くようになった。
④同じく、Aさん、Dさん、Eさんの情報が派遣先に送られ、Aさんだけが面談に呼ばれたり、面談もなしに働くようになった。
⑤○○人材派遣会社のAさんが派遣先の面談を受けたが決まらなかった。そのあとに、△△人材サービス社のDさん、さらに××スタッフ社のEさん……向こうは気に入る人が出てくるまで待つつもりらしい。
【特に同業他社で争った場合に「競合」と呼ぶ】
どれも「個人の特定」ということになり、労働者派遣法違反です。
この中で、この業界の用語として「競合」といった場合は、ほぼ③と④のパターンを指しているようです。
違反となっている最大の理由はこれが「労働者供給事業」になっているからです。つまり、人材派遣会社は「労働者の技能と事業所側の必要のマッチング」というやるべき仕事をせず、「右から左に人を動かすだけで、その間に立って給料をピンハネするだけ」という形になるのです。
【無駄になった時間は「拘束時間」。給料を請求することも考えられる】
派遣スタッフ側の不利益はいくつもあります。「決まるかどうか分からないと不安にさせられた」「長々と待機させられ、その間はお金が入らない」ということもあるでしょう。
あるいは、「繰り返し面談に引っ張り出され、その度に無駄な時間を過ごした」というのもあるでしょう。
この最後の件に関しては、地方自治体の労働相談窓口の担当者の中には、「拘束時間として、賃金を支払わせるべき」と考える人もいるようです。
きちんと日時や交通費の記録を残しておいて、窓口に持ち込む……ということも検討していいかもしれません。
たとえ支払わせることができたとしても、手間を考えると、ペイするものではないとは思います。が、平気で法律違反を繰り返す連中に一矢報いることぐらいはできるかもしれません。
|
それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
|
コメント