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暴力団に当たる心配よりも、“暴力団的な人材派遣会社”に当たる心配を
ヤクザと暴力団はしばしば同じものとして扱われます。が、言葉の由来としては違いがあります。
【『男はつらいよ』の寅さんも、ヤクザの一人】
ヤクザの語源は、「八九三」です。これを「ヤ・ク・ザ」と読んだものです。
足して「20」なので、1のけたが最低の「0」であり、賭博(とばく)での最も悪い“目”のことです。いわゆる「ブタ」です。
「もっとも役に立たない、質の低い人間」ということで、「ヤクザ」と呼び始めています。
元々は暴力・暴力団とは関連がなく、まずは博打打ち(ばくちうち)のことを指すようになり、やがて「テキヤ」「壮士崩れ」などへと使用する範囲が広がりました。
映画『男はつらいよ』の主題歌で、渥美清演じる主人公“寅さん”が自身を「どうせオイラはヤクザな兄貴……」と歌うのは「役に立たない」の一例でしょう。寅さんの職業はテキヤですから、この意味でもヤクザです。
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【組織などが似てきて、今では境目がない】
親分、子分といった人間関係や、「一家」「組」といった組織を作るのはもともとヤクザの方の世界でした。
寅さんが行った先々で「手前、生国と発しますと、葛飾・柴又です」と、“仁義を切る”ことからも分かるのではないでしょうか。
が、暴力団も同じような人間関係や組織を構成するようになり、次第に両者の境目がなくなってしまいました。さらに、博打打ちやテキヤも数が減り、もっぱら暴力団を指すようにもなってきています。
【暴力団の資金源は麻薬販売、債権取り立て、恐喝】
「暴力団」は「暴力を背景にして、ストレートにある目標を達成しようとする集団」といった定義になるようです。
資金の獲得方法としては、麻薬・覚せい剤の販売、競馬などでのノミ行為などがあります。それ以外には、債権取り立て、企業恐喝、倒産整理、入札妨害、管理売春などが挙げられます。
これらの資金源を枯渇させるなどの目的で、1992年3月に「暴力団員による不当行為の防止等に関する法律」(暴対法)が施行されています。
また、個別では、たとえば債権取り立てに対し、2010年6月の貸金業法改正で、「午後9時~午前8時の訪問・電話はできない」など細かに禁止事項が設定されています。
このように対策は採られてはいるものの、特に資金源の十分な広域暴力団へは決定的な効果はなく、根絶には至っていません。
【暴力団ではなくても、グッドウィルのように暴力団並みのところはある】
暴力団の資金稼ぎの一つとしてあるのは労働者供給業です。多少の違いはあるもののほぼ人材派遣業と考えていいでしょう。古い言い方をすれば「人夫貸請負業」「人入れ稼業」です。例えば広域暴力団・山口組は大正時代の神戸港での労働者供給業に起源があります。
「スト破り」の時に大量の労働者とも暴力団員ともつかない人数を提供するなど、その時々の都合で企業や政治家とも結びついてきた歴史もあります。現代でも、福島原発事故の収束作業で暴力団が労働者を送り込んでいたり、送り込まれているのが暴力団員だったりといったことが報じられています。
労働者派遣法にも暴力団とのかかわりが確認されると、免許が取り上げられるなどの一応の対策はあります。
自分が人材派遣業者を利用すると考えると、おそらくは実際に暴力団が関与しているところに当たる確率はそう高くはないでしょう。
それよりも「辞めたくても、辞めさせてくれない」(強制労働)のように“暴力団的なやり方”をするところに当たる可能性の方がはるかに高いのではないでしょうか。
実例としては、すでに廃業しましたが、「グッドウィル」あたりを思い出せばいいでしょう。
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