「人材派遣禁止」といいながら、行われている場合もある~可能な業種・不可能な業種

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不可能なのはそれだけの理由がある。トラブルに遭う可能性も大きい


ポジティブリストとネガティブリスト


人材派遣は古くは、「人入れ稼業(労働者供給事業)」という形でした。これは強制労働と中間搾取の温床になっており、戦後間もなく禁止されました。

戦後なし崩し的に再開され、それを追認したのが、昭和60(1985)年の「労働者派遣法」です。

ただ、当初は労働者供給事業への反省も込められ、いくつもの規制がありました。

派遣可能なのを専門性の高い13業種に限っていたのも、その規制のひとつです。ほかは全部禁止です。このOKの業種の一覧のことを「ポジティブリスト」といいます。

やがて26業種に広がり、さらには「基本的にOKで、一部のみ禁止」となりました。禁止する業種をリストアップしたのが「ネガティブリスト」です。

ネガティブリスト以降は、専門性の高さは全く問われなくなった


人材派遣はもともと、「専門性の高い人材は、社内ですぐには用意できない。なので、外からそういった人の労働力を借りてくる」という性格のものでした。

派遣社員は、経験やスキルが評価されている人がなるものだったので、給料も決して安くなかったのです。

ですが、「どんな業種でもOK」となると、専門性は問われない派遣も出てきます。というよりも、今はそちらが主流です。「時給1,000円」「未経験者可」といった求人も出るようになりました。

企業やお店などの事業主側からすると、「安い人件費で、手っ取り早く人を集める手段。しかも、その人集めは他人(人材派遣会社)任せで済む」といったところです。

4業種のみがいまだ禁止。ただ、違反も多い


どんどん切り崩されていった禁止業種のうち、最後まで残ったのが、港湾運送・建設・警備・医療の4業種です。

専門性の高さや危険性の高さが、今でも禁止されている理由になっています。ただ、「先に解禁された製造業などと比べて、どれだけの違いがあるのか」は疑問として残るところです。

禁止業種かどうかは、人材派遣会社や事業主らが気をつけておけばいいはずです。募集さえなければ、求職中の人が応募することもないはずですから。

ですが、実際にはやっています。人材派遣やそれに近い業者は、あの手この手と必死なのです。法律上は違反かどうか判断しきれないような、いわゆるグレーゾーンのものもあれが、はっきりとブラック(違反)のものもあります。

もちろん近づかないことです。これほどどんな業種でも人材派遣が解禁されたのに、いまだに禁止されているのには、それだけの理由があるのです。労働者にとって、けっしていい労働環境や待遇ではありません。

13.派遣可能な業種・不可能な業種
それでも人材派遣会社を利用するなら

「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る


あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには

非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す


就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す

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