人材派遣で困ったら、相談窓口は派遣会社? ハロワ? 労基署?~トラブル発生時の対応
頼りにできるところはない。被害が小さいうちに抜け出すのがベター
○最も多いトラブルはは、「仕事内容が求人広告・就業条件明示書と違う」
人材派遣で働くと、なかなかスムーズにはいきません。
本来は派遣さんと派遣先の入って、働きやすいようにアレンジするのが人材派遣会社の役割です。ですが、その人材派遣会社自体がトラブルの出どころになるのも珍しくありません。
最も多いのは、「求人内容・就業条件明示書と、実際の仕事が違う」でしょう。
派遣先は「まずは人が欲しい。何をやってもらうかはその後で考える」といったところが少なくありません。
人材派遣会社もそういった派遣先の意向をくんで、「未経験者可」「職場の先輩が親切にお教えします」など、勝手に応募条件のハードルを下げています。
「パソコンを使った事務」が、「便所を含めての事務所の掃除、弁当の買い出しなど、雑用全部」だった……という実例まであります。
これでは、「この程度の仕事内容で、この時給ならば納得」と思って応募した側はたまったものではありません。
トラブルは大きく分けると、派遣先関連と人材派遣会社関連
それ以外で、主に派遣先の問題でありそうなのが以下のとおりです。
・職場の人間関係が険悪。仕事を教えてくれない。非正規雇用(派遣さん、パート・アルバイト)に辛く当たる
・仕事のノルマがやたら高い。仕事内容と時給が合っていない
・自分のスキルにないことをやらされる
・仕事内容や職場環境が悪い、危険
・途中で仕事内容や勤務場所を勝手に変えられる
私が電子部品工場で働いた時は、以上のことはすべて大なり小なりありました。
「職場環境が悪い」で一例を挙げておくと、食事場所になっている部屋は禁煙ではありませんでした。「こんな煙が充満したところで飯が食えるか」と、出入りするのはお茶をもらうためぐらいで、機械の間や通路で一人食べていました。
人材派遣会社関連で考えられるのは次のようなものでしょう。
・契約期間が残っているのに、途中で解雇される(派遣切り)。今まで契約更新されてきたので、次も当然と思っていたら、切られた
・「契約更新しない」といってあったのに、「後任が見つかるまで」などの理由で引き伸ばされる
・勝手に契約更新したことにされる
・派遣先でのトラブルを訴えても、何もしてくれない
・「体調不良なのでやめたい、休みたい」といっても無視される
あまり役に立たない相談窓口
こういった場合の公式の相談窓口はハローワークです。たとえ、そこがハローワークを通して見つけた仕事でなくてもです。
ただし、「役に立った」という話を聞いたことはありません。
あとは、県や市町村が設けている労働関係の相談窓口。これは、担当者次第でしょう。
あるいは、弁護士会などが主催する無料相談所もあるにはあります。これは「順番待ちが長い」「時間、回数制限があって、納得行くまでの相談にはならない」「話を聞いてもらうだけ」となりがちです。
取り締まり機関としては労基署(労働基準監督署)です。悪質な案件には逮捕だってできます。ですが、致命的な人手不足です。一個人だけがかかわる案件に積極的に動いてくれることはありません。
記録(メモ)はちゃんととっておく
このように、頼りにできる相談窓口はありません。
「これはおかしい」と思ったら、そのおかしい点を早くはっきりとさせて、手を引くことです。やめるための手順を考えましょう。
そのおかしい点を相手につきつけるためには、何があったかを記録しておかなければいけません。「いつ、こういうことがあった」「自分がこう報告したら、相手(派遣先、人材派遣会社)はどう返事をした」とメモにしておくのです。
記憶に頼って、「契約は更新しないといったはずなのに……」では、相手に押し切られるだけです。「いつ、こういう形で『更新しない』申し入れた。間違いなく『わかりました』の返事をもらった」と再現できるようにしておくのです。
これだけで解決するわけではありません。ですが、口先で簡単に言いくるめられてしまうことは、避けられるはずです。
そして、メモをとることは、求人広告や登録面接から始めなければいけません。
6.トラブル発生時の対応 |
それでも人材派遣会社を利用するなら 「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく 非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには 非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す 就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す |
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