新聞・テレビで問題が採り上げられることはない~マスコミと人材派遣

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ニュースなどで人材派遣の問題が採り上げられないわけ


テレビ・新聞はこれだけ斜陽化してるのに、まだ頼りにしている人もいる


テレビ・新聞といった昔からあるメディアの力が斜陽産業化しています。

といっても、若い人たちはテレビが今以上に羽振りがよかった時代は知らないでしょうし、新聞となると「一度も定期購読したことがない」という人も珍しくありません。どちらも影響力が落ちています。

それでも「テレビも新聞も伝えていない」ということで、社会的な問題に気が付かない人は今でもたくさんいます。「何か問題があるのならば、テレビのニュースでやるだろう」と言い切り、全幅の信頼を置いているかのような人までいます。

広告主の多くは、人材派遣を利用している


ところが実際は、新聞もテレビも、今はジャーナリズムなど放棄して、「伝えるべきことを伝える」ではなく、「伝えてもどこから文句を行ってこないことを伝える」という、全くの弱腰になっています。

経営基盤が傾いているのも、そのひとつの理由です。

たとえば、新聞の収入は、2000年がピークでした。日本新聞協会加盟社のトータルを今と比較すると、このような数字になっています。

00年:25,223億(販売12,876億+広告9,012億+他3,372億)
15年:17,904億(販売10,466億+広告3,983億+他3,455億)

「販売」というのは、「購読料」、いわゆる「新聞代」のことですね。これも減っていますが、より深刻なのは、広告収入です。半分以下の44パーセントまで減っています。

もう一社も広告主を逃すことができないのです。そしてその広告主の多くが、人件費削減のために、人材派遣を利用しています。

テレビ局自身が人材派遣会社


やはり古いメディアであるテレビ業界も、同様に広告収入は減っているでしょう。

残り少なくなった大事なスポンサー様が気分を悪くするようなことはできません。人材派遣を採り上げると、どうしても「企業側は立場の弱い労働者をあくどく利用して……」という話になってしまうでしょう。問題だらけの制度ですから。

それに加えてテレビには、人材派遣をたたけない決定的な理由があります。テレビ局自身が人材派遣会社なのです。

日本テレビ人材センター、TBSサンワーク、フジキャリアデザイン、テレビ東京ヒューマン、トラストネットワークは、それぞれ東京キー局の子会社の人材派遣会社です。テレビ朝日系のトラストネットワーク以外は、社名に親会社の名前までしっかりと入っています。

子会社といっても、100パーセント出資です。事実上社内の一部門と考えるべきでしょう。

ここで雇った派遣さんを、下請けの番組制作会社に送り込んでいるのです。

人材派遣の問題点を暴くことは、自分の会社の問題点を暴くことになります。どう考えてもやるわけありません。

つまり……

新聞社は、人材派遣を使って人件費をケチっているような企業から広告(≒金)をもらって、なんとか生き延びている。テレビ局も同様だけど、それに加えて自分たち自身が人材派遣会社

それでも人材派遣会社を利用するなら

「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る


あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには

非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す


就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す

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