「派遣アルバイト」という言い方はちょっと変?~基本中の基本、派遣社員とアルバイトの違い

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職業紹介会社は、就業させた直後1回だけ料金を受け取る。人材派遣会社はずっと終わりまで、派遣料金を受け取る


派遣、アルバイトなどの定義


ネット上をみていると、「“派遣アルバイト”をしようと思うのだけど……」「人材派遣会社と職業紹介会社はどう違うのか?」といった話がときどき目に入ります。

こういった混乱が起こるひとつの理由は、「人材派遣会社と職業紹介会社が両方を兼ねていることがある」でしょう。同じホームページの中にほとんど区別なく出されていることもあります。

簡単に違いをいうと次のようになります。

・アルバイト


もともと労働を意味するドイツ語「Arbeit 」から来ています。

Wikipediaでは、「日本における非正規雇用の雇用形態の一種とされており、期間の定めのある契約に基づき雇用される従業員を指す俗称」としていますが、これはしっくりこないですね。

国語辞典などでは「本業や学業のかたわら、収入を得るための仕事をすること。また、その仕事をする人」とされています。

「ほかにメーンとなる仕事がある」、あるいは「あるはずだ」という前提で、サブになる仕事、あるいはその仕事をすること……と考えていいでしょう。

学生は学業がメーンですから、働くことは全部バイトです。

また、失業中の人が、ちゃんとした仕事が見つかるまでのつなぎにやっているのならば、「こんなもの、自分の本業ではない」ということで、たとえそれが今やっている唯一のい仕事でも「バイト」と呼んでもおかしくないでしょう。

専門性のあるスキルを持っている人が、全く関係のない仕事をやっているのならば、なおさらそうでしょう。

・パート


主負が家事などの空いた時間で働きに出るのも、アルバイトです。本業は主婦で、働きに出るのはあくまでサブですから。

ただし、戦前からの歴史を見ると、長い間アルバイトをするのは学生ぐらいでした。「アルバイト」の呼び方には、学生のイメージが染みこんでしまっているのです。

なので、それと区別するために、「パート(パートタイム)」との呼び方がされるようになりました。

「パート」は英語の「part-timer」からきています。本来の意味は「短時間労働者」です。

反対語は「フルタイム(full-timer)」です。こちらは日本語にすると「専任労働者」「常勤労働者」といった意味になります。

・正社員


「雇用期間の定めのない正規雇用の者」というのが国語辞典的な意味です。違う言い方をすれば、「定年まで勤め続けるのが前提になっている働き方」です。

確かに、20年ぐらい前までは、いったん就職すれば定年までいるのが当たり前でした。と、いってもそれは大企業の場合です。中小企業では、定年を待たず転職・退職することは当たり前にありました。

もうひとつ忘れられているのは、「大企業は大企業で、そこにしがみつき続けるのも、けっこう大変」という点です。

今はバイトや派遣から抜け出せない人があふれて、そちらに注目が行っているだけです。「社畜」というのは、正社員に対しての言葉であることを思い出せばいいでしょう。

・契約社員


正社員と違い、契約期間が数年になっているものをいうことが多いようです。

どのような内容になるかは、その契約次第です。仕事内容が限定されていたり、社内の一般的な人事評価や昇進からは外されているのが普通です。

・派遣社員


「派遣さん」との言い方もします。

雇い主は人材派遣会社です。そこから、貸し出されるような形で、仕事場となる派遣先へと行きます。

最初に挙げた「派遣アルバイト」も、そういう言い回しをした人は、「サブになるような仕事を、派遣会社で探す」というつもりだったのかもしれません。

ですが、「本業も別にあって、さらに派遣会社からの仕事もやる」というのは、ほぼ無理でしょう。そんな時間や曜日を限ったような案件はまずはありません。


業者側から見た違い


職業紹介会社で扱うのは、正社員、契約社員、パート、アルバイトです。さらに細かく分けて、「パート・アルバイト紹介会社」といった言い方も見かけます。

人材派遣会社で扱うのは、派遣社員です。

業者側から見ると、このふたつの間には、いくつも違いがありますが、おそらくは最も大きなもののひとつは、「料金の受け取り方」でしょう。

どちらの側も、もちろん応募して職に就く人は支払いません。もっぱら雇い主や派遣先が払います。

職業紹介の場合は、自分のところが紹介した人が採用された時のみです。おそらくは一回支払いを受けるだけでしょう。

細かくどういう契約にするかでも異なるでしょうが、職業紹介会社は紹介した人にすぐにやめられても、直接は困りません。まあ、会社としての多少の評判は悪くなるでしょうが。

一方、人材派遣の場合は、「派遣料金」という名目で、その人が働き続けている限り、ずっと入ってきます。その派遣料金のうちの6割か7割程度を人材派遣会社からの給料ということで、派遣さんに支払います。

人材派遣会社の方は、働き続けてくれればくれるほど、もうけが出る仕組みなのです。「やめたいといったのに、営業さん(派遣会社の担当者)がやめさせてくれない」といった問題が出るのはこのせいです。

職業紹介会社と人材派遣会社は、国から与えられる免許の上でも別のものです。ただし、最初に申し上げたように兼業をしていることは珍しくありません。

1.基本中の基本、派遣社員とアルバイトの違い
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