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登録型の派遣だと年収は全体としては250万円前後。工場労働の時給は約1,000円。ただし、リーマン・ショック前
東京都産業労働局がこの2007年と2010年に『派遣労働に関する実態調査』を出しています。2010年版は特に対象を常用型に絞っています。
より人数が多い登録型は、2007年版で、調査対象になっています。ここから登録型の派遣労働者の平均像を拾ってみましょう。
【人材派遣会社の取り分は約3割】
給料の話を欠かすわけにはいかないでしょう。
時給が「派遣先」「派遣元」「派遣労働者」それぞれに聞き取りが行われ、三種の数字が出されています。
たとえば、「全体」として、順に「2,037円」「1,480円」「1,464円」となっています。
2,037円と1,480円の差額は、おおよそのメドとして、人材派遣会社の取り分と保険料などになると考えていいでしょう。
16業種に分けて出されています。「派遣労働者」の高い方と、低いほうの三つ上げると、次の通りです。
① | ソフトウエア開発 | 3,550円 | 1,960円 | 1,975円 |
② | 研究開発 | 2,630円 | 1,662円 | 1,679円 |
③ | 取引文書作成 | 2,119円 | 1,592円 | 1,682円 |
| : | | | |
⑭ | 販売 | 1,624円 | 1,399円 | 1,340円 |
⑮ | 軽作業 | 1,510円 | 1,004円 | 1,058円 |
⑯ | 物の製造 | 1,602円 | 1,123円 | 1,049円 |
「軽作業」は低い時給で求人を出すための方便に使われることがほとんどなので、実質「物の製造」とは変わらないでしょう。つまり、工場労働ならば、平均は1,000円程度で最も安い。その次に安い店員さんと比べても4分の3ぐらいしかない……といったことが分かります。
折りたたむ
【年収の中心は250万円前後、500万以上は720人中8人】
回答した派遣労働者の内訳も集計されています。回答者は720人で、男性22.1パーセント、女性76.3パーセント。年代は、「30代」が最も多く40.3パーセント、「10~20代」25.0パーセント、「40代」18.6パーセント、「50代」8.2パーセントとなっています。
中心は30代女性です。ほかのデータからも考えて、女性の事務系の仕事の数値が最も高く反映されていそうです。
で、前年1年間の派遣労働による年収は、「200~250万円」が最も多く、18.6パーセント。「250万円~300万円」の16.7パーセント、「50万円未満」の16.0パーセントと続きます。
回答の選択肢で最も高いのは「500万円以上」で、これは1.1パーセントです。
【あくまで、便利な人数合わせのための要員】
一般事業所全体(派遣先)にとっての「派遣労働を利用するメリット」といったデータも挙がっています。
「仕事量の変動への対応」 58.6パーセント
「一時的欠員の補充 」55.4パーセント
「自社で養成できない労働力」 20.2パーセント
「自社従業員数の抑制」 18.1パーセント
「賃金等の抑制」 16.0パーセント
「わからない」 3.0パーセント
「社内の活性化」 2.5パーセント
「その他」 2.4パーセント
(2つまで回答)
本来、人材派遣にあった「技術や専門性を提供する」といった面が感じられるのは、この回答の中では、「自社で養成できない労働力」だけでしょう。
「安くて、都合よく、便利に使える」といった理由ばかりです。
【リーマン・ショックでさらに悪化している可能性も高い】
ただ、注意しなければならないのは、これらが2007年の数値であることです
リーマン・ショックに端を発した「派遣切り」は、翌2008年の年末から激化しています。より厳しい状況になっている可能性があります。
また、元々の派遣労働者を使う理由が「仕事量の変動への対応」であったのですから、「派遣切りは起こるべくして起きた」ということも分かります。
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