正規のものは登録型・常用型・紹介予定型だが、それら以外にも注意〜人材派遣の種類
人材派遣とは明示されず、実際にはそうなっているパターンには要注意
大半は登録型
人材派遣の種類は、(1)仕事のある間だけ、人材派遣会社と派遣社員の間に契約が結ばれる「登録型」、(2)仕事のない時期でも人材派遣会社から雇われている状態で、給料も出る「常用型」の2種類です。
また、登録型のうちにはいりますが、やや特殊な「紹介予定派遣」があります。
「派遣期間終了時に、派遣先と派遣社員の両方が合意すれば、正規雇用(正社員、パート・アルバイト)に切り替えることができる」というものです。
もっと現実的な言い方をすれば……「派遣先は人材派遣会社に派遣料金を支払い、人材派遣会社はその派遣料金の中から派遣社員に給料を支払う」から、「人材派遣会社は抜きにして、職場(派遣先)が直接労働者に給料を支払うようになる」……です。
派遣期間は最大で6か月です。
ただ、常用型も紹介予定型も数は少ないです。特に紹介予定型は、「実際に応募しようとすると、『あれは終わりました』といわれてしまうことが多い。どうやら、応募者の気を引くために、から求人を載せているらしい」との話もあります。
初めて派遣に応募する人は、登録型だけを意識する形でいいでしょう。
偽装派遣(偽装請負)という形の人材派遣もある
「これも派遣に入れなければいけないかも」というのが、「偽装派遣(偽装請負)」です。
請負とは「仕事の内容は全て外部に任せ、その結果だけを受け取る形」です。最もわかりやすいのは、ビルや橋などの建築でしょう。「職人をどのように配置するか。給料はいくらにするか。勤務時間は」などは建築会社が仕切ります。依頼主は、期日までに決められた仕様のものを受け取るだけです。
よくある偽装派遣は、「工場のラインの一部をまるまる請負として業者が契約する。だけども、実際には依頼主のほうが、働いている人間に指示を出す。勤務表まで依頼主側が管理している」といったパターンです。
これでもし、労働者が仕事上のトラブルでケガでもし、あるいは死亡でもした際に、「だれが責任をとるか」が不明確です。
きちんとした請負ならば、依頼主には責任はありません。作業全部を丸投げしているわけですから。実態として派遣になっているのならば、依頼主側の責任が大きくなります。
このため、「どこが補償をするか」といった問題にもなりますので、「請負だったか、偽装請負だったか」をめぐって裁判になることもあります。
「こういった募集には近づかないようにしましょう」といっても、「偽装派遣」として募集されているわけではありませんので、なかなか難しいです。
人材派遣なのに明示されていない場合もある
また、「一個人を労働者とみなさず、請負業者として扱って、仕事をさせる」といったパターンも聞かれます。よく募集を見かけるのは、「ツアーナース」です。
修学旅行などの同行をし、体調不良者やけが人に対応するものです。
実際は旅行者や学校から仕事上の指示を受けているはずです。ですが、「請負」ということならば、全部自分の判断と責任でやっていることにされてしまいます。
トラブルがあった時の責任も自分ひとりがかぶります。
また、これも看護師さんですが、紹介予定派遣を悪用した募集も見かけます。「離島応援ナース」などとして、「南の島で数か月働いてみませんか。現地面接なし、地元で採用が決まります」といったものです。
現地面接がないのは、これが人材派遣だからです。派遣会社が採用・不採用を決めるのです。
どの業者も「期間は最大6か月」となっています。これは病院や診療所などの仕事先の要望でも、業者の方針でもありません。紹介予定派遣の決まりでそうなっているのです。
こういった募集で、「人材派遣」「紹介予定派遣」の言葉が前面に出ていることはほとんどありません。
実際には人材派遣になっているからには、あなたが働いている数か月の間ずっと、その離島からはるか離れたところにいる業者が、派遣料金を受け取ります。あなたへの給料は病院・診療所ではなく、業者から支払われます。
12.人材派遣の種類 |
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