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- パート・アルバイトから正社員へのステップ
- 正社員になったからといって問題解決ではない
それでも一度はなっておかないと、会社がわからない・組織がわからない。社会がわからない
【正社員は、うらやましい?】
パート・アルバイト、派遣社員から見ると、正社員にはうらやましい点があるでしょう。もちろん、世の中には一向にそんなことは気にならなくて、自ら非正規雇用を選んでいる人もいるにはいますが……
単に「一緒に働いているときの様子を見て、そう思った」という場合もあれば、「雇用条件が違いすぎる」「任される仕事内容が違う」といったところから来ている場合もあるでしょう。
正規労働者(正社員)が持っていて、非正規労働者が持っていないものは、「定年までの長期雇用の保障」「高い給料」「福利厚生」などです。
「ボーナス・退職金」は、非正規労働者にも出ることはありますが、たいていは「寸志」などとした少ない額です。
ただ、実際には、「正社員」と名ばかりで、いくらも非正規雇用と変わらない場合もあります。実は「正社員」というのは法律などでの決まった定義はありません。各企業側で勝手に使い、勝手に意味を決めていい言葉なのです。
「パート・アルバイトをいつまでもやっているわけには行かない」と思い、正社員を目指す人は要警戒です。「正社員募集」だけを信じて応募してはいけません。
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【正社員は幸せか?】
雇用条件などが、ちゃんと正社員といえるだけの条件が整ったところに採用されても、それで解決ではありません。それどころか、非正規雇用にはなかったデメリットを抱え込んでしまう場合もあります。
「社畜」や「過労死・過労自殺」でイメージされるような状況です。
「過労死・過労自殺などごく一部の人の話じゃないか」と思う人もいるかもしれません。
過労死はあくまで最も極端にまで行ってしまった場合です。その手前で、とてつもないフラストレーションを抱えている正社員は少なくありません。「メンタル面でのトラブルを抱えて長期休業している」ならば珍しくない問題になっています。
たいていの企業では無視できない問題になっていて、「メンタルヘルスのケアをどうするか」に頭を悩ませています。
いろいろ原因はあるでしょうが、特に「正社員だから」ということでいえば、「いったん正社員になったからには、そのまま働き続けなければいけない」「『困った状態だから、退社するという』が選択肢として思いつかない」が大きいでしょう。
【現実には定年までいない可能性が高い】
もうひとつ強調しておかなければいけないのが、「定年制を過信するな」です。
正社員は、一応の前提として、「定年までの雇用が保障されている」ということになっています。今ならば多くは60歳までで、一部に65歳まで引き上げるところも出てきています。
ですが、「ほとんどの新人社員が、そのまま定年まで勤める」というのは、以前から大企業に限られた話でした。中小企業ならば、転職・途中採用で何度かは変わるのが普通でした。
それが今は、大企業であっても、厳しいリストラを行って、定年前に社員を放り出すことが増えています。
業界の環境が変わって、かつての名門企業でも経営が傾いたり、あげくは倒産する場合だってあります。ここ最近でいえば、サンヨー、東芝、シャープなどの電気機器業界を思い浮かべればいいでしょう。
さらには、「一部上場企業でも、新入社員の3割が3年以内にやめている」というデータもあります。
理想をいえば、「正社員をやっている間に、ほかの企業に移ったり、独立しても通用するスキルや知識をつけましょう」です。ですが、そんなことができる人はごく一部です。
ほとんどは、社畜と化し、「頭のスイッチを切ってしまった」とでもいうような状況になってしまいます。上からいわれたことを黙々とこなすだけです。「今勤めている会社を離れることがあるかも」を予想し、準備している人など、かなりの例外です。
それでも、一度はまともな企業で正社員になっておきましょう。それもできれば3年以上です。無理ならば1年でもいいです。
でないと、「会社」や「組織」といった世の中のあらゆるところで力を持っているものを理解する機会がないままになってしまいます。これから先の人生はどんな形になるかはわからずとも、それらを避けてしまうと、かなり窮屈で不便なものになってしまいます。
また、理解していないまま「会社」や「正社員」を批判したり、毛嫌いしても、それはひがみにしかなりません。
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