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正社員になっても、本当に定年までいる人は一部でしかない
【上場企業の新人社員の3割、4割が3年以内にやめる】
「大卒新入社員の3人に1人は、入社後3年以内にやめる」は聞いたことがある人も多いでしょう。
もう少し正確に見てみます。データの出ころは、厚生労働省の離職率調査です。
現時点では平成27(2015)年春の卒業者の分まで出ていますが、卒業後3年目までのデータがそろう平成25年春卒業者の分で見ると、次のような数字になっています。(数字はパーセント)
高卒者 大卒者
1年目で退職 20.1 12.8
2年目で退職 11.7 10.0
3年目で退職 8.6 9.1
3年目までの計 40.9 31.9
これを従業員数別で見ると、大卒の場合は、
5人未満 -29人 -99人 -499人 -999人 1,000人以上
1年目まで 32.4 24.2 16.2 12.3 11.1 7.8
2年目まで 48.2 38.7 28.0 22.5 20.5 15.8
3年目まで 59.0 49.9 38.6 31.9 29.2 23.6
高卒の場合は、
5人未満 -29人 -99人 -499人 -999人 1,000人以上
1年目まで 39.8 31.5 23.8 16.9 14.1 10.5
2年目まで 54.9 46.9 37.4 28.5 23.8 18.1
3年目まで 64.4 57.2 47.7 37.9 31.5 24.7
業種にもよりますが、「従業員1,000人」程度では、たいした大企業ではありません。とりあえず「中規模以上の企業」としておきます。
あまり細かいところまで覚える必要はないでしょう……
新卒で正社員になっても、大卒の場合、3割以上が3年以内にやめる。高卒ならば4割ほど。小さい会社ほどすぐにやめる。だけども中規模以上の企業に就職しても、高卒も大卒も4人に1人程度は3年以内にやめている
……と理解しておきましょう。
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【一流企業・優良企業がそれを維持できる期間はせいぜい30年?】
「入社」ということでの調査ですので、「正社員」と考えていいでしょう。
正規雇用(正社員)と非正規雇用の大きな違いの一つに、「正規雇用は定年までの雇用が保証されている」があります。ですが、この数字だけ見ても、「正社員になったからといって安心ではない。たとえそれが中規模以上の企業であっても同様」ということがわかります。
「新卒後3年以内」というのは、「再就職をする場合には、『第二新卒』として扱われる」という期間ですね。「まだしもやり直しがしやすい」というのはあるでしょう。
退職の理由は、いろいろなところでアンケートがとられていて、回答としては「仕事が合わなかった」「人間関係が難しかった」などが代表的なものでしょう。
ただ、こういったものは、「離婚した理由」と同じで、回答するほうがどこまで本音を出しているかわかりません。自分の方に原因があっても、相手のせいにすることも多いでしょう。逆に、相手に問題があるのに、自分ばかり責めるような人もいます。参考にするにしても、そういったことも頭の隅に入れておいたほうがいいでしょう。
また、「自分のほうでやめるつもりがなくても、会社の方の都合でやめされられる」、あるいは、「就職した時は良かったけれど、後で会社の業績が悪くなり、とてもじゃないがいられないぐらい雇用条件が悪くなった」ということも起きます。
「大企業・人気企業・有名企業を選んでおけば安心」とはいえないです。一気に斜陽化した業界は、古いところでは造船、新聞・雑誌などがあります。現在進行中のものでいえば、電機産業やテレビ局があります。
これらのうち、一番わかり易いのは電機産業でしょうか。サンヨーはすでになくなり、シャープ、東芝などはいつなくなってもおかしくない状況です。おそらくは今中高年の社員は入社した時は、周囲からも羨ましがられるような状況だったでしょう。
「企業寿命30年説」というのがあります。すごいアバウトな話ですし、全部が全部当てはまるわけでもありません。ですが、「企業が誕生して30年もたてば、制度疲労をおこして、時代に適応していくのは難しい」と覚えておくことは必要でしょう。
「好調な企業に就職したら、実はそこがその企業のピークで後は落ちるばかり。自分が定年になる前に倒産した」は決して珍しいことではなく、シャープや東芝が実際にそうなりかけています。
このように、「定年まで雇用が保証されている」も内容を見ていくと、決して安心ではないのがわかるはずです。
【社畜は世の中の変化についていけない】
その「安心ではない企業」に正社員として就職した場合、何をすればいいのか。きれいごとでいえば……
自分の社内だけではなく、外に出て持つようするスキルを身につけたり、経験を積んでおきましょう
……です。
実際に優良企業が斜陽化するときは、「優秀な人から順にやめていく」ということがおきます。最後はバケツの底の泥のような人ばかり残ります。
こうなるともう会社をまったく作り変える造り替えるしか再生のしようがありません。ですが、そういった時は元からの経営陣にはその能力はなく、どこかに吸収合併でもされない限り、この奇蹟も起こりません。
「外でも通用する人間になる」はその方法も簡単には示せませんし、示したところで実行できる人はごく一部です。ですが、逆に「こうなれば確実に、斜陽化してもずっと会社にしがみつくしかない人」の方は説明が簡単です。
「社畜」です。自らの考えや判断は持たず、まったく会社任せになっている人たちのことです。
私が直接聞いたことのある、典型的社畜の言葉は次のようなものでした。私が会社の将来性に見切りをつけ、退職を決めた時に……
これだけの大企業なんやから、(経営環境が厳しくなっても)会社の方で何とかするやろ
……です。
会社がタイタニック号のように船底に大穴が開き、斜めになって沈んでいく時になっても、おそらくは海に飛び込めないでしょう。
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