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「派遣社員に対してやらなければいけないこと」編・上
【「優良派遣事業者認定制度」の認定基準】
優良派遣事業者認定制度というのがあります。「事業者から提出された申請書類等により申請の要件を満たしていることを確認した後、次に掲げる基準を一定以上満たす事業者」なんだとか。
「厚生労働省委託事業」となっています。その委託をされているのは、「一般社団法人人材サービス産業協議会」です。
つまり、第三者が客観的に評価するのではなく、「人材派遣の業者同士が互いに仲間をほめあっている」というものです。
実際に表彰を受けた業者を見ると、労働者派遣法違反などで労働基準監督署から繰り返し取り締まりを受けているところも入っています。間違っても「利用する業者を選ぶ参考にする」といった使い方はできません。
「またひとつ人材派遣業界に新しいインチキが加わった。怒りがふつふつとわいてくる」というのが正直な感想です。
ただ、このホームページに挙がっている
「認定基準」は参考になります。見方を変えると、「人材派遣会社とその担当者は、本当はこういったことをしなければいけない」ということだからです。
【派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準】
「Ⅱ 派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準」として、次のようなものが挙がっています。
・2-1 募集・採用
1.募集・採用
労働条件、仕事内容、必要なスキルを具体的に説明することに努め、適正な内容の募集採用を広く行っていること
求職者の応募に際して、円滑な手続きのための利便を図っていること
折りたたむ
・2-2 派遣社員の安定就労とフォローアップ
1.派遣社員の義務・権利の周知
労働者としての権利・義務を派遣労働者に周知していること
2.派遣先事業所の環境の把握
派遣先での派遣社員の就業状況を的確に把握していること
3.派遣社員の希望条件確認
派遣社員の希望条件を確認し、それに応じて的確な支援ができる体制にあること
4.派遣社員への就業条件の通知
派遣社員に対して、書面にて迅速に労働条件や就業条件を伝えていること
5.派遣先への派遣社員の要望伝達
派遣社員からの仕事に関する不満や苦情を派遣先に伝え、その改善に取り組んでいること
6.派遣社員の雇用安定
派遣契約の更新がなされない派遣社員に対して、雇用の安定に資するための各種の取組を実施していること
7.派遣社員の満足度の把握と向上
派遣社員からの満足度・要望等を把握し、満足の向上に取り組んでいること
【現実は、「そんな手間をかけたところで、成績アップにならない・収益増にならない」】
「労働条件、仕事内容、必要なスキルを具体的に説明することに努め……」についていえば、「求人広告と実際の仕事内容が違う」というのが、当たり前にある状況です。
「具体的な説明」を期待するどころか、「ウソをつくな。人をだますな」のレベルです。論外です。
「派遣社員の就業状況を的確に把握……」も、少なくとも私の時はまったくありませんでした。
5か月働いていても、その間に私の状況を見に来たことはありません。その会社(電子部品工場)には何回も足を運んでいたらしいのに、「ちょっと立ち寄る」さえしません。たまたま作業中の私の横を通り過ぎたときに、互いに軽く会釈したのが1回あるだけです。
「派遣社員の希望条件を確認し、それに応じて的確な支援ができる……」と「派遣社員からの仕事に関する不満や苦情を派遣先に伝え……」は、最も派遣社員側のストレスがたまるところではないでしょうか。
「職場の人間関係が悪い」「聞いていた仕事内容と違う。雑用を全部押し付けられる」「勝手に仕事内容と持ち場を変えられた」「契約期間終了なのに、やめさせてもらえない」などなど、派遣社員が抱える問題は無数にあるでしょう。中には「あまりのハードワークに体を壊した。病院通いをしながら通勤している。もう無理」という人だっています。
こういった話に真剣に耳を傾ける営業さんは少ないです。また、派遣さんの方でも普段の雰囲気を見て、「どうせ、いっても無駄」となってしまいがちです。
思い切ってぶつけてみると、たいていは「もう少しガマンしてくれ」といった返事が返ってくるだけです。
おそらくは、「あまりに忙しくて対応できない」のではありません。「いちいち取り合っていたら、手間も時間もかかる。そうしたところで派遣料金が増えるわけではない。そんなことの煩わされるぐらいならば、新しくほかの派遣さんを獲得して、どこかに送り込むのに時間を使う。そうすれば自分の成績もアップして、会社も潤う」です。
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