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二交代制は、経営効率を追求し、従業員を犠牲にしてできた
工場勤務には、二交代制はつきものです。派遣社員も当然、これに組み込まれるでしょう。
今までに経験のある人ならば、説明は要らないでしょう。が、初めての人ならば、要チェック項目のひとつです。きついです。甘く考えてはいけません。
【念のために「二交代制とは」】
・工場は夜中に止めてしまうと、「もったいない」
今まで製造工場とはかかわりなく生きてきた人にはおそらく、ここから説明を始める必要があるでしょう。
ニ交代制とは、工場を24時間稼働させるために採られる勤務システムです。
「なぜ、そんなことをするか」といえば、せっかく工場を建て、機械を入れても、昼間だけ働いているようでは、夕方から次の朝まで、工場と機械は遊ばせておくことになります。
経営者側からすると、これが「もったいない」のです。
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・「夜勤」でも仮眠時間はない
ですから、休みなく工場を動かすために、「9時から21時まで」と「21時から翌朝9時まで」といった2つのチームに分けて、24時間をカバーするのです。
昼間のチームを「日勤」、夜間のチームを「夜勤」と呼びます。工場の場合、夜勤でも「仮眠時間」はないでしょう。せいぜいが、食事時間に1時間程度当てるぐらいでしょう。
・昔は三交代制が主流だった
かつては24時間を三つに分ける「三交代制」が主流でした。
が、こうなると3つのチームを組む必要があります。当然、従業員もその分、必要な人数が多くなります。
なので、これも経営者側に都合がいいように、どんどん二交代制に移行しました。
【二交代制ならば、同時に「四勤二休」になる】
・基本の単位は6日
日勤だったら、日勤ばかり。夜勤だったら、夜勤ばかり……なんて勤務シフトも不可能ではありません。
たとえば、業界は違いますが、入院設備のある病院の場合も24時間体制になっています。それらの病院の中には、「夜勤専門の看護師」がいる場合もあります。
が、工場の場合はたいていは「四勤二休」で日勤・夜勤が交代するようになっています。
4日連続して出勤して2日休みです。つまり6日が単位です。「四勤」の間は、日勤だったら、日勤ばかりが続きます。休みが開けると、今度は夜勤が4日……というのが一般的です。
・「土日休み」にはならない
このような状況ですから、「土日が休み」にはなりません。
ほかの業界で働いている人とは付き合いがなくなる可能性は高いでしょう。
また、「二休」もその言葉のとおり考えていると、実態とはずれます。これを境に日勤・夜勤が入れ替わるせいで、半日ずれます。「一・五休」と「二・五休」が交互に来ると考えたほうがいいでしょう。
【今さら、自分一人が文句いっても仕方がない】
・経営者の都合のためだけでできているシステム
先にも書きましたが、こんな24時間体制を組んでいるのも、三交代制だったのが二交代制になったのも、そこで働いている人のためでは全くありません。
逆です。労働者を犠牲にしてでも、経営の効率を求めた結果です。
・「慣れる」というより「あきらめる」だろう
よく、「二交代制は体がきついですか」といったような質問がネット上に出ます。
様々な意見があります。が、ひとつぐらいは必ず、「最初はきつかったが、そのうち慣れた」といったものが出ます。
が、これは「文句をいったところで、二交代制がなくなるわけではない。その工場を辞めるわけにもいかない」というのが、大前提になっているように思います。
【人間は昼間熟睡するようにはできていない】
・退社してから、次の出勤までは11時間だけ
私の時は夜勤は13時間でした。朝(8時)に仕事が終わって、夜(19時)に次の出勤だとします。この間は11時間です。
仮に行き帰りが1時間ずつで済む場合でも、残りは9時間です。この間に食事を2回、入浴などの時間が入り込みます。
普通に考えると、睡眠は最大でも7時間でしょう。
真昼間で睡眠が浅いうえに、時間も足りません。これで、また夜中じゅう働くことになります。休みの日は“時差ボケ”状態です。
・本当に「帰って、寝て、また工場」の繰り返しだけ
夜勤がちょうど半日の12時間にしてあっても、ちょっとマシになる程度です。また、この場合は、日勤の方までが、家に帰っても、ほとんどとんぼ返りで工場に向かうことになります。
何も考えない「使役動物」に近づいていくのは、当たり前です。
【夜勤の時は実際には睡眠4時間半。周囲で入院患者が2人出た】
また、電車通勤で、私のような地方都市に住んでいる人は要注意です。私の場合は、朝8時の帰宅時が問題でした。
電車の本数が少ないのです。さらに、直通がありませんでした。乗り換えなしなら、ドア・ツー・ドアで1時間のところ。が、途中駅での電車の連絡が悪く、2時間以上かかりました。
睡眠時間は、4時間半程度でした。
当然、周囲の連中も疲労がたまっています。あまりに当たり前の光景なので、その疲労いっぱいの状態がおかしいとは気が付かないだけです。
私がいた5カ月の間に、周囲にいた30人ほどのうちから、体調を悪くして入院する者が2人出ました。
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