正社員だって苦しい。派遣社員はもっと苦しいけれど~私が再就職しないわけ

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正社員までもが死ぬまで働き続ける時代が待っている


正社員への入り口は狭くなっているのは確か


今、派遣社員、パート・アルバイト、契約社員などで働いている人たち、それも好きでそうなっているわけでない人たちは、「正社員にさえなれば、こんな目には遭わなくていいのに」「生まれ合わせた時代が悪い。正社員で働きたくても、募集が少ない。門がすごく狭い」と思っている人もいるでしょう。

確かにそういう面はあります。もし、チャンスが見つかるのならば、全力で正社員になるべきでしょう。

ただ……「正社員ならば幸せか?」ということは、頭のどこかに入れておきましょう。

正社員だって、「社畜」「過労死」に追い込まれる場合もある


10数年前ならば、雇用の問題は「社畜」「過労死」あたりがキーワードでした。これらは正社員についていわれていたことです。

働きに働き続けて、会社に奉仕して、自分の生活など顧みず、とうとう疲れ果てて死んでしまう……というのが、日本のサラリーマンだったのです。私が正社員だったころに、身近にいた人たちも数人、自殺をしています。

もちろん、過労死や自殺までいくのは、ほんのわずかなひとたちだけです。ですが、社畜ならば、そんじょそこらにいるのではないでしょうか、ご当人は自覚がないぐらいに。

その後、解決したわけではありません。非正規雇用(派遣社員、パート・アルバイト、契約社員)など、より立場の弱い労働者が増え、注目がよそに行っただけです。

年金制度の崩壊は意識しておいたほうがいい


正社員は、実際にそうなるかどうかは別にして、「定年まで勤める」というのが前提です。違う言い方をすると、「その年齢まで働くところがあって、給料もずっともらえる」とされているものです。

そして、定年の年齢まで頑張ったら、今度は国民年金などがあります。後はこれが生活を支えてくれる……というのがこれまででした。

ですが、この年金制度がすでに音を立てて崩れようとしています。

年金制度がもう成り立たない原因はいくつもあります。わかりやすいものをひとつ上げると、「少子高齢化」です。かつては、年金のための資金を支払う若者が多くて、受け取る老人は多くはありませんでした。すでにこれは逆になっています。

そのため、受け取り始める年齢は60歳から65歳に引き上げられました。今の時点でさえ、これを引き上げ70歳になるとか、あるいは75歳との話も出ています。

しかも、金額もどんどん減っています。今でもすでに、「年金では足りないので、生活保護に頼る」という老人がどんどん増えています。今後はさらに悪化するでしょう。

今後企業の定年が引き上げられることも考えられます。ただ、これはわかりません。

個人でできる対策としては、「給料がもらえているうちに、老後の分まで蓄えをする」がひとつ。もうひとつは、「ひたすら健康を保ちつづけ、死ぬ間際まで働き続ける」です。

どちらも現実には難しいことです。ですが、やらざるを得ません。そして、これは非正規雇用の人間にはさらに難しいことなのですが、正社員にとっても生易しいことではないのです。

なにしろ「正社員としての定年後も働き続けなければならない。今後は生活に足りるだけの金額は年金からは出てこない。でなきゃ、今から生活費を削って、可能な限り貯金に回せ」ということでなのですから。

社会人・組織人としての初期教育は必要だ


このように、すでに「正社員として定年まで勤める」も決して、一生の安定ではありません。また、「社畜」「過労死」の問題も待っているかもしれません。

ですが、特に若いうちに一回は正社員となり、数年は頑張ってみる必要はあるでしょう。

というのは、学校を出た直後から、ずっと非正規の人は、社会人・組織人としての訓練を受ける機会がありません。

個人として何かビジネスをするとしても、仕事先とのつきあい方、自分が使うスタッフの扱い方もわからないまま。あるいは、我流のままになってしまう可能性が高いです。

もちろん、社会人・組織人として学ぶ場は、きちんとしたところでなければいけません。

特に「前近代的」などと呼ばれるようなところは避けなければいけません。私が派遣で送られたような電子部品工場なんぞ、その前近代的の典型でした。今時は、「ブラック企業」などと呼ばれるようなところもあります。

こういったところは、何も身につかなかったり、間違ったことを覚えるだけです。もちろん、避けなければいけません。

中には、「若いうちに一回は正社員になり……」が当てはまらない人もいるかもしれません。ですが、特別な能力でも持たない限り、そうすべきです。

17.私が再就職しないわけ
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