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二重(多重)派遣プラス禁止業務。生命の危険のあるところに送り込む
福島第一原発の収束作業も含め、原発関連には二重派遣や偽装請負が横行していることは、周知の事実です。
さらには下請けが何重にも絡んでいます。
このように間に挟まる企業が多ければ多いほど、実際に労働している人の受け取り分が少なくなります。
これを全部理解するのは大変な作業です。労働者がもっとも直接的にかかわりのある部分だけ、採り上げてみます。
【福島原発事故の作業に長崎の企業が派遣】
事例は平成25年4月に厚労省・長崎労働局が事業改善命令を出した分です。
派遣元 → アグレス → 大和エンジニアリングサービス
派遣元(複数) → 創和工業 → 大和エンジニアリングサービス
と、大和エンジニアリングサービスが二つのルートで派遣労働者を受け入れていました。
大和エンジニアリングサービスと創和工業は佐世保市、アグレスは長崎市に本社があります。
折りたたむ
【対象となった事案は、原発事故直後の7、8月の作業】
労働者数は両方合わせての延べ人数で、約500人です。また、期間は平成23年7月1日から8月9日です。
アグレスと創和工業は労働者と派遣契約を結んでいるわけではなく、また、派遣先として労働者を受けて入れいたわけではありません。つまり、間に挟まることでピンハネだけをしていた形です。
厚労省の発表では「福島県内の就業場所」「配管工事」とだけ記されています。
が、だれが考えても、福島第一原発事故の収束作業以外には思い当たらないでしょう。平成23年7月~8月といえば、事故発生直後で、安全対策も後手後手に回る中、炎天下に防護服姿の作業だったはずです。
【作業内容からも労働者派遣法違反】
この件で処分の対象となったのには、もう一つ理由があります。
作業の内容の「配管工事」です。これは労働者派遣法で禁止されている業務の一つ「建設業務」に当たります。
建設業務が禁止されている理由としては、「建設労働者の雇用改善を図るうえで、かえって悪影響を及ぼすこととなり」とされています。早い話が「弱い労働者の立場が、さらに弱くなる」ということでしょう。
【ピンはね&ピンはねで、給料は半分以下】
おそらくはこの時の労働者の一人と思われる人が、2012年に「多重派遣・偽装請負で働かされた」と東京労働局と長崎労働局に申告しています。
この人の場合は、当初仕事の紹介を受けたときは、「原発30キロ圏内」という話でした。が、実際にはもっとも危険と隣り合わせの「原発建屋内」での作業でした。
この人の訴えでは、
前田工業 → 福田工業 → 創和工業 → 大和エンジニアリングサービス
と、さらにもう一社間に入っている企業が増えています。
大和エンジニアリングサービスが危険手当&日当として支払った金額は24,000~25,000円。実際に受け取ったのは11,000円だったそうです。
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