- TOP
- 職場に入ってから
- よくある違法行為
- 労働者不利の偽装請負
事故があろうと、無理な労働条件であろうと、だれも責任を取らない偽装請負(偽装派遣)
「人材派遣会社の求人を見て、工場に働きに行く」のならば、「偽装請負(偽装派遣)」に巻き込まれる可能性は低いです。
というのは、「実態としては人材派遣(労働者派遣)なのに、「業務請負」と称している」というのが「偽装請負」だからです。
が、パートやアルバイトなどほかの短期労働を併用している人もいるでしょう。その場合は好むと好まざるにかかわらず、当事者になってしまう可能性があります。
【雇い主の会社以外で、業務につくときに要注意】
まず、「偽装」ではない「業務請負」です。
まず、雇い主は「請負会社」、仕事の現場は「発注元」です。人材派遣ならば、それぞれ「派遣元」、「派遣先」に相当するものです。
「雇い主」が「請負会社」という名称を使っていることはありません。ごく当たり前に「○○工業」だったり、「株式会社△△」です。
あなたがその会社に「契約社員」「アルバイト」「パート」といった名目で雇われたとします。当然、給料はその「請負会社」から出ます。仮にこれを「A工業」としましょう。
で、仕事場は「発注元」です。仮に「B電子部品」とします。
で、要注意は、ここからです。まともな「業務請負」であれば、たとえ働いてる場所が「B電子部品」で、使う機械類などの設備も「B電子部品」のものであろうと、あなたは「A工業」所属の人間から仕事上の指示を受けます。
折りたたむ
【「業務請負」であるのならば、発注元はあなたに対して指示も出せないし、責任もない】
つまりあなたがかかわる工程はすべて、「A工業」の人間で仕切っている形になります。
で、偽装になるのは、この仕事上の指示が、その発注元の「B電子部品」の人間から出る場合です。「この機械は、スイッチ類はこう操作してくれ」とか、「昼食前までに、箱詰めしてくれ」といった内容です。
「請負」であるからには、「B電子部品」は一切タッチしてはいけないのです。「たまたま見かけて、気になるところがあるから」といっても、あなたに対して指示をしてもいけません。
タッチしてはいけない主な理由は、「B電子部品」はあなたに対して、なんら責任を負っていないからです。
【もし、発注元の指示を受けてしまうと、責任の所在が分からなくなる】
たとえば、「B電子部品」の人間から「部品の入った段ボール100箱を隣の部屋に移してくれ」と指示を受けたとしましょう。
作業中にその段ボール箱が崩れてきて、あなたが下敷きになったとします。「B電子部品」にとって、あなたは自分のところが雇った人間でありませんので、その責任を回避しようとするでしょう。
雇い主の「A工業」も、「こちらが指示した仕事ではない」ということになります。
あなたが下敷きになっても、だれも責任をとらないことになってしまうかもしれません。
事故はなくても、作業が定時に終わらないかもしれません。ならば、雇い主であるはずの「A工業」は「B電子部品が指示して残業になったのだから、こちらは残業代は出さない」となるかもしれません。
【「業務請負」のままにしておけば、発注元の負担・責任は少ない】
こうならないためには、「雇い主は『A工業』だが、あなたへの仕事の指示は『B電子部品』が出す」と、当初からしておかなければなりません。もし、仕事上のトラブルがあれば、その責任も「B電子部品」がとるのです。
これは「労働者派遣(人材派遣)」の形そのものです。
この場合、「B電子部品」にとっての面倒が増えます。なので、実態は「労働者派遣」でやっているのに、契約上は「業務請負」にする企業が後を絶たないのです。
|
それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
|
コメント