人材派遣会社との契約は全部書いてあるはずだが……~就業条件明示書はここを見る

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就業条件明示書が関係するトラブル・違反


人材派遣の契約は2種類


人材派遣に関する契約は、人材派遣会社と派遣先の間で結ばれる「労働者派遣契約」と、人材派遣会社と派遣社員(労働者)の間で結ばれる「労働契約」のふたつです。

派遣先と自分自身(派遣社員)との間の契約はないことは覚えておきましょう。派遣先に雇ってもらっているわけではないのです。

そして、それぞれの契約の内容を書いたのが、順に「労働者派遣契約書」と「就業条件明示書」です。

○就業条件明示書があることを忘れている場合も多い


「就業条件明示書」というのは、人材派遣会社とあなたの間の約束です。その約束を文書の形で残したものです。

ですから、「仕事の内容は何をするか」「期限はいつまでか」などはこれに従います。

もし、「事前に聞いていた話と、実際にやる仕事の内容が食い違う」「派遣期間を勝手に短くされた」といったときは、これを盾に相手の約束違反を言い立てることになります。

なのによく聞くのは、登録面接などで聞いた話のおぼろな記憶を頼りに、「あの時の説明では、仕事内容はこうだった」といった話です。もし、相手に約束違反を迫るのならば、そんな記憶よりも就業条件明示書です。

ただし、期間については例外がある


ただし、次のどちらかの条件にあたる場合は、人材派遣会社側は「契約期間が終わる30日以上前に、契約を更新しないと伝える」必要があります。

・契約が3回以上繰り返されている
・1年以上、その派遣先で働き続けている

このような決まりが設けられたのは、「派遣切り」が横行したためです。

「人材派遣会社からなにも話がなかったから、これまで通りに更新されるのだろう」などと思わせておいて、いざとなったら「終了です」……これでは、当てにしていたほうがあわてますし、実際にそういうことが多かったのです。

もし、このどちらにもあたっておらず、何も話がなければ、そのまま終了です。

派遣さんの側から、「次は更新しません」と伝える必要はありません。放っておけば、就業条件明示書に書いてある期間のまでです。

伝えるとしても、あくまで「念のために」ぐらいのことです。

就業条件明示書がないまま働いている場合もある


ただし、派遣切りが横行したのは、数年前までの話です。現在では逆に、「やめたくても、やめさせてくれない」のトラブルのほうが一般的です。

来て欲しい派遣先が多いにもかかわらず、派遣で働きたい人が多くない……という事情もあるかもしれません。

それよりも、大きな理由になりそうなのが、「人材派遣会社が手放さない」です。

人材派遣会社にすると、もし、その派遣先がまだ派遣さんを使う気でいるならば、後任を探さなければいけません。

うまく見つかったところで、プラスマイナス1です。見つからなければ、マイナス1です。

ところが、その人を縛り付けておいて、後任を探す分の手間でもう1人確保し、どこかに送り込めばプラス1です。契約を更新して、働き続けてくれたほうが、“おいしい”のです。

そこで、ひどい営業さんになると、「いま抜けられると困るので、後任が見つかるまで待ってくれ」などとやるのです。しばらくたって、「後任はどうなりました?」と尋ねても、具体的な話は返ってこない……

ひどい場合は、「派遣先に私が期間終了するとも知らせていないまま、勝手に契約を更新した」といった例まで聞きます。

もちろん、そんな労働契約は無効です。成立さえしていません。

もちろん、新しい分の就業条件明示書はないまま働いていることになります。あったとしたら偽造です。どちらであっても犯罪レベルです。

5.就業条件明示書はここを見る
それでも人材派遣会社を利用するなら

「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る


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