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たいていの人材派遣は求人広告からしてインチキだったはず
【人材派遣会社の法律違反は、バレるものだけで全体の3分の2】
人材派遣会社に対する取り締まり官庁は厚生労働省(労働局)です。毎年、「指導監督」というチェックに入ります。
平成24(2012)年度の場合で、東京労働局から「是正指導」を受けたのは、2,011事業所中1,331か所(66.2パーセント)でした。
この年だけ例外になったり、東京だけが例外になる理由はないでしょう。つまり、「人材派遣会社3社のうち2社に、何か問題がある」ということです。
しかもこれは、「労働局にバレたものだけ」「労働局が特に問題視したものだけ」の数字です。
もし、あなたが「なにかおかしい」「なんで私はこんなわけのわからない苦労をさせられているんだ」と感じたら、それは、「人材派遣会社が何かインチキをしている。労働者派遣法や労働基準法違反をしている」可能性が、極めて高いと考えていいでしょう。
「是正指導」よりも強力な「業務改善命令」、「事業停止命令」といった処分も行われます。が、違反は絶えることがありません。「性懲りもなく」という表現がこれほどぴったりとくる状況は少ないでしょう。
以下、よくある人材派遣会社のインチキです。すべて何らかの形で法律に反しています。
【就業時にありがちなインチキ】
・求人広告での仕事内容と、実際の仕事内容が違う
募集で出ている「簡単な検査」「仕分け作業」はほとんど信用ならないです。そもそも、そんなに世の中に検査や仕分け作業があるわけありません。
「仕事内容なんかなんでもいい。とりあえず目先のお金が欲しいだけだから」という人もいるかもしれません。
仕事の大変さが同じならば、そういう考え方もあるかもしれません。ですが、多くの場合、本当だったらもっと時給が高くないといけないような仕事をやらされます。
「未経験者歓迎」「職場の先輩が親切に教えてくれます」あたりは、「派遣先には確認せずに、人材派遣会社が勝手に書いている」と考えておきましょう。
こういった状況ですから、実際に働き出した初日に、「ダマサれた」となる人が無数に出ます。
「人材派遣会社とやりあうことができない」&「どうしても、もう派遣先に行きたくない」という人は、あとはバックレるしかなくなってしまいます。
折りたたむ
・その職場での派遣社員を使うことのできる期間が無視されている
これは派遣社員側はあまり気にしなくていいことかもしれませんが、一応挙げておきます。
派遣期間は原則1年です。職場での合意があれば、3年まで延ばせます。
その合意をとる相手は、労働組合があれば労働組合です
なければ職場の正社員らにアンケートでもとるしかありません。経営者側がそんな面倒をするわけありません。合意もとらずに、3年になってしまいます。
「まともな経営者ではない」というのは間違いないですが、こちらのほうがむしろ多数派かもしれません。
・就業条件明示書がちゃんと作られていない
ひどいところは、契約書や就業条件明示書も作らない例があるようです。
また、作っても内容がでたらめです。
ただ、「でたらめなのが普通だから」と油断してはいけません。求人広告での仕事内容・時給などと、実際が違っていても、就業条件明示書と実際が一致していたら、後で文句はいえません。
「ハンコを押す時点で、その内容で納得した」ということになってしまうのです。
【派遣先も関係するインチキ、派遣先がやるインチキ】
・事前面接
労働者派遣法の決まりでは、「だれを採用かを決定する」「採用した人間の責任を持つ」のは人材派遣会社の側です。派遣先は、送られてくる人間を自分のほうで選ぶことはできません。
ここでは詳しくは書きませんが、これを許してしまうと、昔ヤクザがやっていたピンはねそのものになってしまうからです。
なので、派遣先が自分のところでもう一度面接をしたり、履歴書をチェックしてはいけません。明らかに労働者派遣法違反になります。
ですがやっています。いわゆる「事前面接」です。
人事派遣会社&派遣先も無警戒なところになると、そのまま「面接」と呼んでいます。でなければ、「会社見学」「訪問」など言い換えています。
どんな呼び方をしていても、そこで採用されるだの、落とされるだのということがあれば、これは全部事前面接です。
考え方の順番を変えると、「事前面接があるということは、昔のヤクザのピンハネとまったく同じ状態になっている。人材派遣会社も役割も、昔のヤクザの役割と変わらない」ということです。
・当初と仕事内容が変わる。だんだん仕事がきつくなる
「派遣先の環境にもなれ、仕事もどんどん任されるようになる」という言い方をすれば、歓迎できることのように思う人もいるかもしれません。
ですが、基本的に派遣社員は仲間と思われていません。「できるだけ便利に使ってやる」というのが、派遣先のスタンスです。たいていは、ただただ仕事が重くなっていきます。
求人広告を見た時の判断を思い出しましょう。「この仕事の内容で、この時給であれば、行ってもいいか」と考えたはずです。そうやって重くなった仕事は、本当ならば高い時給をもらっていいものなのです。
ですが、時給が上がることはありません。派遣社員に対する人事評価はありませんから。
給料を支払っているのも、あなたの働きぶりを見に来さえしない人材派遣会社です。派遣先に対し、派遣料金(派遣先から人材派遣会社への支払い)をアップするような交渉をすることもありません。万が一、あなたの時給をアップさせると、自分たち(人材派遣会社)の取り分が減るだけなのです。
・問題があっても対処してくれない
職業紹介会社(正社員、パート・アルバイトの仲介)の場合、採用した人を送り込めば、そこで仕事は終わりです。料金も1回だけ送り込んだ先から受け取ります。
一方、人材派遣会社は、あなたが働いている間ずっと、あなたがもらう時給の半分程度を受け取り続けています。派遣先が支払う料金(派遣料金)が1,500円ならば、人材派遣会社に500円、あなたへは1,000円程度です。
こうやってお金を受け取り続けられるのは、本来は「送り込んだ後も、人材派遣会社も働いているから」でないとおかしいはずです。
ところが現実には、送り込んだが最後、働きぶりを見に来ることすらありません。トラブル発生には、「ガマンしてくれ」しかいいません。向こう(人材派遣会社)からすると、「放っておいてもどんどんお金が入ってくる。金づるをつかんだ」ということですね。
・体を壊していても、続けさせられる
その「トラブル発生」として考えらるのは、「職場の雰囲気が悪い」どころか、はっきりと「いじめに遭う」、「契約にない残業をやらされる」もあれば、先に挙げた「事前の話と実際とで仕事内容が違う」などです。
これらはどれも、「すぐに退職していい」と法律(労働基準法第15条など)で決められています。
もっともわかりやすいものといえば、「体を壊した」でしょうか。中には職場に行っても、ほとんど役に立たないぐらいまで悪化しているような人までいます。それだけの事情があっても、なんやかやと退職を拒否され、「体がふらふら」といいながらも続けさせられています。
こういうのを「強制労働」といいます。
【契約期間終了時(やめさせてくれない)】
・口実を作って契約期間を延長させられる
「契約期間の時点でやめようと思っていたのに、やめさせてくれない」はよく聞く話です。
「代わりの人が見つかるまで待ってくれ」「きちんと引き継ぎをしてからにしてくれ」などと頼まれたりもします。
代わりの人を見つけるのは、人材派遣会社の仕事です。彼らはそれで給料をもらっています。
自分の負担を増やしてまで、引き継ぎをやる義務はありません。そもそも派遣社員、パート・アルバイトなどは手伝い程度の存在です。だからこそ、給料も安いのです。自分がいないと、引き継ぎができないような状況にしていたとしたら、正社員の怠慢です。
・勝手に契約を更新したことにされる
もっとひどいところになると、勝手に契約書を作って、期間を延長したことにさえします。ウソみたいな本当の話です。
そもそも、本当に代わりの人を探しているとも限りません。「いいくるめておけばいい。代わりの人を探す手間を省き、その分でもうひとり新しく派遣社員を捕まえる」ぐらいのことはやっているかもしれません。代わりを探しても派遣料金はプランマイナスゼロですが、もう一人捕まえれば、プラスになります。
【派遣切り】
・契約期間途中なのにやめさせられる
最近は、「やめさせてくれない」の話題のほうが多いようです。派遣社員を確保するのが難しくなっているらしいです。
ですが、ほんの数年前には、大規模な「派遣切り」がありました。契約期間中なのに突如解雇されてしまうのです。
今でも、個人個人ならば、そういった例もあるでしょう。
ですが覚えておきましょう。「派遣先の方で人が不要になった」は解雇の理由にできません。「派遣先が倒産した」という時でさえ、人材派遣会社はできるだけ早く同じような条件の派遣先を見つけてくる義務があります。
あなたを雇っているのは、人材派遣会社です。法律上はそういう言い方はしませんが、派遣先へは貸し出させているだけに過ぎません。派遣先がなくなっても、人材派遣会社とあなたの間での労働契約は残るのです。
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それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
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