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- 有効求人倍率は、参考にならない
有効求人倍率の数字にだまされ、「なんで就職できないんだ。正社員になれないんだ」と焦らないように
【有効求人倍率とは】
有効求人倍率は、「求人数÷求職者」で出されます。1.0倍であれば、企業などが欲しいとする人数と、就職・転職したいという人の数が同じということになります。一応のメドとしては、この1.0倍が就職難かどうかのわかれ目とされています。
最新の数字(2016年11月)では1.41倍で、「過去最高」でした。
この数値を見て、「こんなに就職しやすい時期に居合わせたのに、なんで自分は就職できないのだろう」と焦りを覚えるような人もいるでしょう。
あるいは、家族などから、「しっかりしろ」と発破をかけられているような人もいるかもしれません。
ですが、これ、うのみにしてはいけません。かなりインチキな数字なのです。
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【ハローワークの数字だけが元になっている】
まず、この数字にはパート・アルバイトも入っています。
正社員と常用(常時雇用)フルタイムだけでみるならば、0.95(2016年11月)です。まだ1.0倍に達していません。
それと、正社員などだけにしろ、パート・アルバイトなどまで含むにしても、これはあくまでハローワーク(職安、職業安定所)を通したものだけです。
昔ならば、職を探すには職安を使うか、個人的なツテを頼るか、新聞の求人広告をチェックするかだったでしょう。
ですが今は、職業紹介会社(正社員、パート・アルバイト)、人材派遣会社などもあります。むしろこちらを優先的に考える人も多いでしょう。
ハローワークの重要性はかなり下がっているのです。「過去最高」といっても、比べる数字の意味が全く違います。
【空求人の問題は全く対応なし】
この有効求人倍率を信じてはいけない、さらに大きな理由があります。「空求人」が野放しになっているのです。
空求人は、「釣り広告」「釣り求人」などとも呼ばれます。早い話が、「実際に人が必要なわけではないのに、出してある偽の募集」です。
なぜ、このようなものがあるかはその会社や、ハローワークを通して人を集めている人材派遣会社の事情それぞれです。
たとえば、「名前を出しておくだけで、自分の会社の宣伝になる」です。
あるいは人材派遣会社ならば、「募集はないけれど、応募してきた人のプロフィルを手に入れる。それ元に『こんな人を派遣できます。いかがですか』と会社回り」という場合もあります。
ありもしない募集ですから、もちろん仕事内容・雇用条件はデタラメです。うまく送り込む先が見つからなければ、返事を待たせてある応募者に、「あなたは採用されませんでした」で済ませてしまいます。
これが求人の中の何割を占めているかはデータがありません。ですが、決して少なくない人たちがこのインチキに振り回されています。
これに対して、ほとんど取り締まりはありません。たまにあると、「○○としては、初めての取り締まりがあった」とニュースになるぐらいです。
また、企業や人材派遣会社からすると、ハローワークを利用するのはタダです。いくら釣り広告を出していても、全く懐は傷まないのです。
こういった様々な裏がある数字が、新聞・テレビなどで発表されている「有効求人倍率」なのです。
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それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
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