- TOP
- 労働者側がどんどん不利になるわけ
- 人材派遣と国・産業界
- 派遣社員はレトルト食品?
正社員の出来が悪いと、社内のだれかに責任がある。が、派遣社員ならば、他人のせいにできる
昔、正社員で働いていたころの話。地方の出先部門で新人を何人か預かっていた中堅社員が、本社での会議でかみついたことがある。
【正社員がうまくいっていないと、社内の責任問題】
「本社の方は、『新人が育っていない。地方は何をしているのか』と文句を言う。が、あんなやつらを送ってこられたところで、育てようがない。ちゃんとまともなやつを採用しているのか。今度から、ひとりひとりの資料に面接した連中の名前を書いておけ」
当時私も地方の側にいて、「ごもっとも」と思った。人気の就職先とされていた会社だったから、「あんなやつらしか応募してきていないなんて信じられない」とも思った。
折りたたむ
【しょせんはよそから、チョイ借りしてきた人間】
なんでこんな話をこのサイトで書いているかというと、このあたりも正社員を採用するのと、派遣社員で間に合わせるのとの大きな違いと思えたから。
普通、派遣社員を利用する第一の理由として、「雇用調整がしやすい」というのが挙げられる。その次に「人件費が安くて済む」ぐらいだろう。
が、もう一つ、「人材に対して、責任を持たなくていい」というのがあるのではないか。
【派遣社員は集中砲火を浴びやすい】
派遣社員に対しては「全く使えないやつも多い」なんて声があるのも確かだ。
正社員には批判を手控えても、派遣社員ならば遠慮はいらない。なにしろ事業所側は自分のところで面接したわけでも、研修したわけでもない。「出来が悪い」のも「そんなやつをよこした」のも人材派遣会社が悪いのだ。
採用した連中の責任か、育成できないやつの責任かの話になってしまうと、社内内部のどちらかが悪いことになる。
中堅社員が「面接したやつらの名前を書いておけ」と発言したのは、相当にうっぷんがたまっての末のことだったのだ。何しろ、相手は幹部連中だったのだから。
でも、派遣社員ならば、社内のみんなが一緒になって、非難を浴びせることができる。
【レトルト食品(派遣社員)がまずくても、ショックはないだろうからね】
まあ、このあたりは、料理にも似ているだろうか。
買い出しから自分でやって、材料も選んだ手作りの料理を「おいしくない」とショックだろう。素材を見る目がないか、調理の腕がない、あるいは両方ともない、ということになるだろうから。
が、レトルト食品を出して「まずい」といわれたら、「ごめんね。忙しかったの。今度、時間ができたらちゃんと作るね」で済んでしまうからね。
もちろん、手作り料理が正社員。レトルト食品が派遣社員。
|
それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
|
コメント