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- つらい、発達障害者の相手①
派遣社員やアルバイトに怒鳴る相手は、発達障害の可能性も考えよ
本当は「発達障害」についての話は避けて通る方が無難なのでしょう。人権問題にもつながることなので、慎重な上にも慎重さが必要です。「偏見を煽っている」といわれかねません。
が、きれいごともいっておれません。「自分に対して理解できないような応対をしてくる。その相手は実は発達障害者である」と知っていれば派遣先やアルバイト先から逃げ出さないで済んだような人も多いでしょう。
【ADHDの場合、極端な切れ方をする】
発達障害者は生まれつき脳に障害のある人たちです。「知能自体は必ずしも低くない」とされ、最近までわりと気づかれずに来ました。
が、重度の場合、感情のコントロールや、作業の手順を考えることが、まったくできません。
いくつかタイプがあるのですが、このアルバイトの場では、一人は「ADHD(注意欠陥多動性障害)」でした。
もし、意味不明な切れ方をし、しかもそれが爆発的なものであることが常ならば、この可能性は考えてみる必要があります。
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【思考が硬直しているアスペルガー】
もう一人は「アスペルガー症候群」でした。微妙に定義が違うのですが、「広汎性発達障害」と呼ばれることもあります。「他人への無関心、同一動作の繰り返しがある」とされています。
この人は、指示されたことは、いくら必要な時間が過ぎても、報告もせずに、「いわれたことだから」と三時間後でも四時間後でもやり続けていました。
現場の監督者は「真面目な人だからねぇ」とあきれていました。
が、このような言動も、この真面目に見えるのも、アスペルガーの特徴です。
【知らずに当たると、こちらの消耗が激しい】
見ていると、職場でも扱うのが大変なので、正社員や長期アルバイトの連中はしっかり避けています。
仕事でペアを組むような時は、立場の弱い派遣社員や短期アルバイトが相手にさせられる可能性は高いでしょう。
専門家によっては、「発達障害者は人口の一割」とか、それ以上の数字をいうこともあります。派遣社員や短期アルバイトが出会う確率はさらに跳ね上がるでしょう。
私が行ったバイト先でも、全く慣れていなのに「仕事が遅い」とADHDに異常な切れ方をされて、たどたどしい日本語で口ごもりながら、ボロボロ泣いていた中国人男子留学生がいました。また、アスペルガーに、出勤初日に「こんなところに(清掃道具を積んだ)台車を置くな」と怒鳴られて、お昼ごろに逃げ帰った若い女性がいました。翌日はからは来ませんでした。
ADHDの場合、その症状の特徴として、「たった今、自分が怒鳴った」ということすら覚えていないことが多いようです。アスペルガーの場合は、「相手が傷つくことを言った」との自覚を持つ能力がありません。
【障害者差別になってはいけない。が、現実に被害者がいる】
発達障害者については、本当は素人が軽々しく決めつけることではありません。ここで書いているのも「危ないことをしているな」という自覚はあります。
が、現実にひどい目遭っている人たちはたくさんいます。できれば事前に、そうでなければ、嫌な目に遭ってすぐに、この発達障害についての知識はつけておきましょう。
派遣社員や短期アルバイトはとても弱い立場です。異常な怒鳴られ方をしたときに、「相手は発達障害者である」と分かっているのとそうでないときの、受け止め方が違ってくるはずです。
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コメント
中にはそういう方も居て、周囲の方で困惑させられてしまった方も居られたでしょうが、このままでは読み手に誤解を生じさせてしまう危険性があるのではないでしょうか。
ADHDは社会において大変誤解の多い障害です。その中に無理解や偏見から不遇に苦しむ方も居ます。当方、ADHD当事者として何卒この点の再編をご一考戴きたいと思います。
確かにADHDを正確に語るには、さらに細分化する必要があって、それぞれに解説したほうがいいのかもしれません。が、私としては、「この小文の役割を超えている」と考えます。
過酷な状況に置かれている派遣労働者やアルバイターに、「ADHDにも色々ありますから、ちゃんと見極めましょう」なんてことを受け入れている余裕はありません。
そもそも「分かっているはずの人たちでさえ、人権問題を慮るばかりに、語ることを避けている」ことが、より問題を大きくしていると思っています。
「(発達障害者に関する情報が全く与えられていないなど)何ら配慮されていない職場で、発達障害者と一緒になった時にどれだけの負担を被るか」について、あまりに情報が少なすぎる……というのが私が最も問題視したい点です。
この立場からの解説のサイトです。発達障害についての啓蒙を目的にはしていないことはご理解ください。
ひどいダメ押しになるかもしれません。が、一言付け加えておきます。
ADHDであれ、アスペルガーであれ、それについてろくに知らない人間が、その症状(はっきり言って発作)を自分に向けられたら、どれだけ驚き、弱い立場であれば傷つけられるかを、発達障害者の側も少しは斟酌(しんしゃく)すべきではないでしょうか。
そうしている発達障害者は一人も知りません。もちろん、障害の特徴として、そういうことを最も苦手にしているとは知っています。が、それでも発達障害者の側からも努力すべきだと思っています。