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- 人材派遣の面接は、落とすためのものではない
それでも落ちるのは、表に出ていない単純な条件、あるいは空求人……
【人材派遣会社は、来た人間は全員残したい?】
人材派遣会社が出している求人に応募するとき、「受かるかな。どうかな」とハラハラする……普通はそうですよね。
「人材派遣なのに、志望動機なんていいようがあるのか」「面接への服装はこれでいいか」「履歴書の字はきれいに書かないと」などなど、頭を悩ませることになります。
ですが、思い切っていってしまうと……
担当者は「可能な限り、どんな応募者でも残したい」と考えている。人材派遣の面接(登録面接)は落とすためのものではない
……です。
逆に、「パスしたからといって、履歴書がちゃんと書けていたからでも、面接の受け答えがうまくいったわけでもない。あなたが高く評価されたわけでもない」ということにもなります。
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【人材派遣会社が考えていること】
なぜ、そこまで言い切れるのか……
人材派遣会社は派遣先からは派遣料金を受け取ります。一般的にはここから30パーセントかそれ以上を自分のところの取り分とし、残りを派遣者社員に給料(時給)として渡します。
これを金額で当てはめると、派遣先が支払っているのは1,500円ならば、人材派遣者員の取り分は500円、派遣社員の時給が1,000円です。
「自分のところで確保している派遣社員のスキルを高め、送り込んだ後はその人がちゃんと働け、職場の役に立つようにフォローする。派遣先に対しては、そこの社内ではすぐに手に入らない人材を供給する」というのが人材派遣会社の本来の仕事のはずです。簡単に言えば、「マッチングとフォロー」です。
ですが、実際には、「企業やお店が自分のところの名前で募集してもパート・アルバイトが集まらない。なので、人材派遣会社にまかせ、ダマすようにして人を集めてもらう」になっています。送り込んだ後も、まったく面倒を見ません。
それでいて、実際に職場で苦労している人の半分の金額が自動的に入ってきます。派遣社員は、人材派遣会社にとっての「金ヅル」なのです。
目の前に、金ヅルの候補が来ているのですから、もったいなくて落とすなんてできません。
【だから、違法なのに事前面接がなくならない】
人材派遣会社から送り込まれてくる人を、派遣先側が拒否することはできないように、「労働者派遣法」で決められています。それどころか、その人に関する情報も、本人の同意なしではほとんど出してはいけません。履歴書を派遣先に見せる・手渡すなど論外です。
ですが、実際には多くの場合、履歴書は派遣先に提出されていますし、それどころか、実際に働いてもらう前に、派遣先側は自分のところでもう一回面接することが珍しくありません。それがむしろ普通です。いわゆる「事前面接」です。
先に述べたように人材派遣会社はマッチングなどせず、ほぼノーチェックで人を送ってこようとします。派遣先側にすれば、「そんな人を、そのまま受け取るわけにはいかない」といったところでしょう。
この段階で落ちる可能性はあります。人材派遣会社が落とすのではなく、派遣先が落とすのです。もちろん、この事前面接もしっかりと禁止されています。ですが、労働基準監督署などが取り締まりをしたという話も聞きません。
もうひとつ、「競合」で落ちる可能性もあります。
派遣先がいくつかの人材派遣会社を利用し、採用候補者がぶつかってしまうのです。そのうちのだれかが採用され、ほかは落とされます。もちろん、これも「派遣先は送り込まれてきた人を拒否することはできない」に反します。違法です。
【それでも人材派遣の募集で落ちるのならば、こんな理由】
いくらでも派遣社員に使えるコマが欲しい人材派遣会社ですが、それでも人材派遣会社の登録面接で落ちることはあります。
その場合の理由として次のようなものが考えられます。
・派遣先が出している条件に、単純に合わなかった
今は年齢・性別などで採用を制限することは禁止されています。そのせいで、かつては当たり前だった「40歳までの女性」「男性のみ」「主婦は不可」などをストレートに出した求人広告もなくなっています。
ですが、実際には派遣先側は条件をつけています。こういった条件に単純に合わなかった可能性もあります。
その場合、法律で禁止されていることですから、「派遣先が欲しいのは、○歳までなんですよ」といったことは、なかなか教えてくれません。
・履歴書を派遣先がチェックして、NGを出した
これも事前面接と同じく、採用・不採用を派遣先側が握るパターンです。履歴書などをチェックして、派遣先側が断るのです。
ただ、その返事は派遣先が直接応募者にするのではなく、人材派遣会社を通してやります。この場合も、法律の上では違反になりますので、「派遣先がこういっています」ではなく、いくら理由を尋ねても、「お教えできません」となるはずです。
・空求人だった
空求人(釣り広告、釣り求人)は、実際にありもしない募集のことを言います。
「何でそんなものがあるのか?」といったところですが、理由はいくつもあります。
A.条件のよさに釣られて応募してきた人に、「すみません、それはもう決まってしまいました。でも、ほかにも応募できるものがあります」と、おびき寄せるためのエサに使う。
B.募集してきたのを見てから、派遣先を探す。その人の個人データ(履歴書)を手に、「こんな人を派遣することができます。いかがですか」と候補先の企業を回る。その間、応募者には返事を延ばしておく。見つかればそこに送り込む。もちろん、仕事内容・雇用条件などは募集時の内容とはまったく無関係。派遣先が見つからなければ、「あなたでは無理なようです。不採用」となる。
「まさか」といいたくなるようなひどいものばかりです。
「履歴書を派遣先がチェックして、NGを出した」は私自身が経験しました。事前面接のない派遣先だったのですが、人材派遣会社がOKを出していた話を直前にひっくり返されました。
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