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“偽装”は請負だけではない。“偽装出向”もある
三菱電機の子会社・三菱電機プラントエンジニアリングが2012年5月に、厚労省から「1か月の労働者派遣事業の停止命令」を受けた事件を、二重派遣の実例として挙げておきます。
【三水テクノなど→三菱→維持管理会社の二重派遣】
派遣された労働者は計29人、期間は2008年10月~2011年9月です。人数×日数では約11,000になります。
関係する会社は、派遣元が「三水テクノ」「日本電営」「日建創業」の三社。派遣先は下水道設備の維持管理などを行う会社です。
ちなみに維持管理会社は処分の対象になっておらず、社名は公表されていません。
山水テクノなど三社と、維持管理会社の間に三菱プラントエンジニアリングが余分に入ってた形です。
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【契約では労働者側に派遣労働であることは明示せず】
労働者が労働契約を結んだ相手は、三水テクノなどの三社です。が、契約の際にこれが派遣労働の契約であることを知らせていませんでした。
そんな状態ですから、そのほかの必要な項目も明示されていません。雇われる側も雇う側もなあなあの形で契約を結んでいます。
ただし、厚労省側は「三水テクノなどは、三菱プラントエンジニアリングが維持管理会社に労働者を供給するのは事前に承知していた」とみなしてます。
【人材派遣会社が一つも出てこない二重派遣】
この事件を見るときの注意点としては、人材派遣会社が一つも出てこないことです。
まず、三菱プラントエンジニアリングは、建設業。主にプラントの据え付け、配線、配管工事をやっています。
また、三水テクノは水処理施設の維持管理・防食塗装工事、日本電営は電気工事、日建総業はビルメンテナンスが主な業種です。
が、厚労省の判断では、三水テクノなどから三菱プラントエンジニアリングへは「労働者派遣事業」、三菱から維持管理会社へは職業安定法四四条で禁止されている「労働者供給事業」ということになっています。
ちなみに当事者らの主張では、順に「出向」と「労働者派遣」です。
【勝手な理屈で「二重派遣ではない」】
実態は二重派遣なのに、違う内容の契約をした形にして、それを隠すことは頻繁にされています。
代表が「偽装請負」でしょう。
この三菱エンジニアリングの場合は、いうならば「偽装出向」です。
「出向」プラス「労働者派遣」なので、二重にはならない……ということで通そうとしたわけです。
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