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- パート・アルバイトからの正社員へのステップ
- 抜けだせずに、パート・アルバイト、派遣社員を選ばなければいけない時もある
- 全く違う形での就職活動も考える。長期化は要注意
中規模以上の会社では「バイトをしていた」はコネにならないし、逆にマイナスの可能性もある
【パート・アルバイトから正社員、ついには社長の例もあるが……】
アルバイターやパートタイマーとして働き始め、その会社でそのまま正社員となり、最後は社長までになった例としては、牛丼の吉野家(吉野家ホールディングス)の安部修仁、BOOK OFF(ブックオフコーポレーション)の橋本真由美がいます。
社長まで行くかどうかは別にして、正社員に切り替えてもらう例はあるでしょう。
ですが気をつけなければいけないのは、こういったパターンがあるのは、小売店にしても製造工場にしても、ほぼ「個人商店」レベルの小さいところだけです。
経営者や創業者の権限が強い上に、その人に直接接するようなことがない限り、正社員になることはないでしょう。「ワンマン社長がいて、そのツルの一声でものごとが決まる」状態です。
安部修仁や橋本真由美にしても、彼らがアルバイト・パートとして働いていた時期は、どちらの会社もまだ創業して間もないころです。東証一部上場の大企業になるのはずっと後です。
もし正社員になりたい主な理由が、「定年まで勤められる」であれば、こういった「個人商店」は慎重になる必要があります。
厚生労働省の調べで、あくまで新卒の場合ですが、3年以内の離職率を従業員数で比べると、高卒の場合、従業員数30-99人ならば47.7パーセント、1,000人以上ならば24.7パーセントです。
大卒はここまでではありませんが、それでも、38.6パーセントと23.6パーセントと、はっきりとした差があります。
煩雑になるので、ほかの規模の数字は挙げていませんが、「勤め先の規模が小さいほど、長続きしない」というのは間違いないです。また、こういった数字は見なくても、自分でも漠然とは予想したでしょう。
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【パート・アルバイトでコネや作れるのか? そのコネは有効か?】
規模の大きい会社で、パート・アルバイトをそのまま正社員に引き上げることができないのは、そういうシステムになっていないからです。企業側からいえば、採用活動はきちんと手順を踏まなければいけないのです。
パート・アルバイトで働いていて、その人がその会社の正社員の採用試験を受けることはあります。私の正社員時代にも、周囲にそういうアルバイターはいました。
採用活動の手順をすすめるのは人事部であっても、その判断は、面接官になるような中間管理職から上の役職の人間が握っています。「部長さんらとパート・アルバイトを通して知り合いになっておけば、顔がつながっている分、有利になるかも」といった期待をする人もいました。ですが、これはもろ刃の剣ですね。
仮に知っている人が面接官になっていたとしても、相手側は複雑でしょう。「性格も能力ももう知っている」と安心するかもしれません。ですが、逆に欠点も知っています。あるいは、よく知らない人のほうが未知数の部分が大きい分だけ期待を抱かせるかもしれません。ほかの面接官の目を気にして、「えこひいきしていると見られたら、嫌だなぁ」という考えも頭をよぎるかもしれません。
そもそも、会社の規模にもよりますが、知っている人が面接官になる可能性は少ないでしょう。これもそう可能性は高くないものの、せいぜいが、「一緒に働いていた人が、面接官になる人にひとこと口添えしてくれる」が関の山です。
もし、正社員時代の私がアルバイトさんからそう頼まれたとしたら、「そんな雑音、(面接官になるような)上司の耳に入れてどうする」と、嫌がったでしょうね。
「その会社でパート・アルバイトとして、◯か月いた」は、正社員の採用の場面では、コネというほどのコネにはならない……ということです。
【「5年ルール」とは】
2013年4月施行の改正労働契約法で新しく作られたのが、いわゆる「5年ルール」です。
肝心なところだけいえば……
1年や2年といったように期限が決められている労働者は、そこでの勤続年数が5年を超えたら、無期限の契約に変えてもらえる
……です。
自動的になるわけではありません。ですが、労働者側から申しこめば、雇い主は断ることができません。
最大の注意点は、「無期限の契約に変えてもらえる」です。これを「パート・アルバイトからそのまま正社員になれる」とした伝え方もありました。ですが、これには「無期限の契約社員」なども含まれます。正社員とは限らないのです。
また、この「5年」のカウントは、2013年4月からカウントし直すことになりました。そこまでにすでに長い間非正規で働いていて、「あと◯か月で丸5年」というのは対象になりません。
これで実際に切り替えが行われるのは、どんなに早くても2018年4月です。
現時点ではまだいません。なので、これがどの程度、非正規雇用者にプラスになるはわかっていません。続々正社員が誕生する可能性もあれば、逆に「非正規雇用者には大きなマイナスになる」という予想もあります。
というのは、雇い主側が「そんな義務を負うのはまっぴら」とばかりに、5年を超えそうな非正規労働者を解雇したり、あるいは5年を超えないような契約の仕方ばかりする可能性もあるのです。
少なくとも、今現在、「すでに5年近く同じ所で働いている」&「ここでそのまま正社員や無期限の契約社員になっていい」という人以外は、ほとんど縁がないシステムと考えておいたほうがいいでしょう。
何しろ、今から全く新しく始めると、正社員となれるとしても5年も先ですから。
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