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派遣先は承知していないのに、「未経験者可」となっているかも
人材派遣、パート、アルバイトなどの広告で、「未経験者可」というものはたくさんあります。
あまりアピールするような経歴もなく、そういったものを中心に見ている人もいるでしょう。
当然、「実際に働くところの人(派遣先など)が、『未経験者でも大丈夫ですよ』といっているのだろう」と考えるところです。
が、特に人材派遣の場合、要注意です。適当な希望を伝えただけで、実際の求人は人材派遣会社に丸投げの派遣先が少なくありません。
派遣先は「当然、ある程度の経験者が来る」と思っている可能性も高いのです。「人材派遣」「派遣社員」という言葉のイメージから、「即戦力が来る」なんて期待しているところだってあるでしょう。
ここへ未経験者がノコノコと顔を出すと、当人は全く悪くないのに、「なんでこんな使えないやつを寄こした」と怒りをぶつけられることにもなりかねません。
【「経験者」とはなにを意味しているか】
・正社員採用の場合は、「3年以上の実務」で「経験者」扱い
かつて正社員の募集の場合、「3年間、その仕事をしたことがある」というのが、「経験者」のめどとされていました。
当然、3年以上勤めていたとしても、その仕事に習熟したかどうかは、その人次第です。
採用する側にしたら、ここで一応の“足切り”をしておいて、あとは「面接で個人個人に当たる」といった形になっていました。
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・アルバイト、パートの場合は、ほとんど意味がない
が、アルバイト、パートの場合、「経験者」には、ほとんど定義がありません。
あえていえば、「少し強気の求人主が、“だれでもいいわけではない”とアピールしている」ぐらいのニュアンスでしょう。
「未経験者可」としていても、「だれでも採用します」ではないでしょう。「とりあえずは応募してみてください」ぐらいの意味のはずです。
だから、「未経験者可」に応募しても落とされる人が出てくるのです。
【人材派遣会社の思惑】
・派遣先の環境など知らない
人材派遣の求人の場合の、「未経験者可」はもっとずるい思惑が込められています。
人材派遣会社は、派遣先の環境を全く知りません。自分たちが送り込んだ派遣社員がどんな働きぶりかも知りません。興味もありません。
何度もこのサイトで書いているので、簡単に済ませます。私の場合も、担当者は……
①派遣先がタバコまみれなのに、事前には「いまどきそんな工場ありませんよ」
②私がいた5ヶ月の間、何度もその会社にまでは来ているのに、私の持ち場を見に来たことはない。一度横を通りがかったが、会釈をしただけで終わり
……でした。
・数さえ送り込めばいい
こういった人材派遣会社が、おそらくは派遣先とロクな相談もなく、あるいは独断で、「未経験者可」と求人広告に書き込んでいます。
未経験者でも務まるかどうかは、どうでもいいのです。仮にその人間が職場の邪魔者になっていても、派遣先から人材派遣会社に渡される「派遣料金」は額が変わりませんから。
彼らの興味があるのは、「一人でも多くの派遣社員を送り込んで、少しでも長くそこにいさせる」のと、「可能な限り手間をかけずに、後は自動的に派遣料金が支払われる」だけです。
そいうった思惑で「未経験者可」と出しているのです。
【派遣先が丸投げの結果がこれ】
・当然、派遣先は「使えない未経験者」を受け取る
そんな「使えない未経験者」を送られてきた派遣先は大迷惑でしょう。
が、それで「派遣先が人材派遣会社にクレームを付けた」なんて聞いたことはありません。
よくあるのは、「派遣社員が、職場の正社員らから、嫌みを言われるなど、圧力をかけられている」といった話ばかりです。
(話がそれますが、ひとことだけ加えておきます。
これは派遣社員の責任ではありません。職場と派遣社員のマッチングを怠った人材派遣会社の責任です)
・無責任の集まりでできている人材派遣
「なぜ、派遣先の矛先が人材派遣会社に向かわないのか」はいくつか考えられるでしょう……
①人材派遣を導入する決定をした「経営者」、派遣先での窓口になる「派遣先責任者」、実際に職場での指示をする「指揮命令者」と関係する人間が多すぎる。しかも、その連中の間での連絡がうまくいっておらず、だれが責任を持ち、判断するかが派遣先内部でも混乱している。
②「役に立たない」といっても、正社員に比べれば、格段に人件費が安い。また、薄々「役に立たないのは、自分たち(派遣先)の方にも責任があるのを感じている」。なので追い出すわけにもいかない。
……といったことがあるでしょう。
私がいた地方の電子部品工場では、特に①の可能性が高かったように思います。
【人材派遣会社は平気でウソをつく】
・「未経験者」を歓迎するところなど多くはない
こう分かった上で、応募する側はどうするか。
もちろん、「未経験者可なんて、ただの見せかけと考えるべき」なのはいうまでもありません。
さらには……
「これからどの人材派遣会社を使うか」、「(もしあるとして)まともな人材派遣会社はどこか」という時には、あまりにこの「未経験者可」の案件が多いようならば、警戒する
……ということも考えるべきでしょう。「そんなウソを使ってでも集めなければならないぐらい、人が来ない」ということでしょうから。
・「正社員登用あり」だって同じ
また、これは「未経験者可」だけではなく、「正社員登用あり」も同様に見ないといけないでしょう。
「正社員登用の可能性がどのくらいかあるのか」「どういった条件を満たせば、正社員になれるのか」が具体的に示されないならば、信用するべきではありません。
「人をかき集めるためならば、ウソも平気」なのが人材派遣会社です。
【覚えておくべきことは】
「未経験者可」「初めての方でも歓迎です」と書いてあるのは、「人材派遣会社が人集めのために、派遣先とは相談もせずに勝手に書いている可能性が高い」ものです。
もし、派遣先が実際には「経験者がほしい」「全くのド素人は困る」なんて考えていたとしたら……あなたに対する要求のレベルが高くなって、厳しく当たられる可能性があります。
ただ、「未経験者可」の求人は採用されやすいのも確かです。避けて通れない人もいるでしょう。「油断するな。『未経験者可』だからといって、仕事が楽なわけでも、派遣先の人が手加減してくれるわけでもない」ということです。
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それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
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