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正社員は正社員同士の人間関係で手一杯
派遣社員に対する評価システムはありません。
派遣先で一生懸命働こうが、手を抜いて適当に働こうが、体を壊して半病人状態で過ごしていようが、派遣先が支払う派遣料金も、あなたが受け取る時給も変わりません。
違いがあるとしたら、「そこを終えて次にどこか行く時は、人材派遣会社の担当者がいい顔をしたり、しなかったり」といった程度のことでしょう。「二度と派遣先に送ってくれない」までは、よほどのことがない限り考えられないでしょう。
【派遣会社の関心は「しっかり働いてもらう」よりも「一人でも多く送り込む」】
人材派遣会社は、いったん送り込んでしまえば、あとはどうなろうが、関心を持ちません。あるいは、関心があっても、それで手間をかけることはありません。それよりは、「1人でも多く、どこかに送り込む」ということに労力を割くはずです。
そんな状況ですから、人材派遣会社が送ってくる人間には当たり外れがあります。“外れ”を引いている派遣先もたくさんあるはずです。「よく派遣先が許しているな」と思います。
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【これで事前面接がなくなるはずがない】
で、思い出していただきたいのが、「事前面接」の横行です。
労働者派遣法の規定の上では、派遣先には採用・不採用の権限はありません。「どういった人が来るか」といった情報を持つことさえ禁じられています。
送り込む人材の質については、派遣元が責任を持つことになっています。そうしないと、派遣元は「最初にちょっと口を利いただけで、ずっとビンパネするだけの存在」になってしまうからです。
が、今のように、マッチングらしいマッチングはしないで、「送り込みさえすれば、あとは自動的にもうけが出る」という形になっている以上、派遣先の方で選別したくなるのは、ある意味当たり前です。
こうして、事前面接禁止は有名無実化し、人材派遣会社は単なるピンはねするだけの存在になっているわけです。
が、派遣社員に対する興味もたいていはここまでです。そこから先は、まったく仕事ぶりを評価するシステムがないのは、すでに書いたとおりです。
なぜ、こんなだらしない形がまかり通るのでしょうか。
【正社員の勤務評定で手一杯】
おそらくは、「派遣社員になんか少しでも手間をかけたくない」という意識が、人材派遣会社だけではなく、派遣先にも蔓延しているのでしょう。
派遣社員に対する事前面接など、最初の一回やればそれで済んでしまいます。
が、正社員の勤務評定ならば、毎月必要でしょう。しかもその判断の元となるようなことは、毎日起きているわけです。
中間管理職の人らにしたら……自分の部下の勤務評定をし、社員としての質の向上も図り……といったことに日々頭を悩ましているはずです。
正社員が相手ならば、これから何年、互いの年代によっては20年やそこら一緒に過ごす可能性だってあります。また、その部下が成功してくれないと、自分自身の勤務評定に関わってきます。
【社員同士は複雑に利害・人間関係が絡んでいる】
しかも、正社員同士は上下左右、複雑に人間関係がつながっています。今の上司と部下。かつて上司だった人間、部下だった人間。同期入社。入社時の面接官……
最も露骨な形でこれが発揮されるのが「派閥」でしょう。もちろん、派閥までになると、かならずしもあるようなものではないでしょう。が、「なんらかの仲間意識」ぐらいは正社員同士で何重にも張り巡らされていると考えた方が良さそうです。
こういった人間関係は何年もかけて構築されるものです。しかも、彼ら自身も意識の上にも出てこない部分があるぐらい根深い場合もあります。
そんなところへ、ほとんど通りすがりのような派遣社員が来るのです。興味など持ってもらえないのが当たり前でしょう。
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