人材派遣会社の空求人（釣り広告）はこうやってできている

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空求人（釣り広告）の具体的な手口

以下は記事『人材派遣業界にありがちな“空求人（釣り広告）”にご注意』にお寄せいただいたコメントと、それに対する私の返答です。

「ポッピ」さんには「なぜ、どのように、空求人（釣り広告）が存在するか」についてとても具体的にご教示いただきました。

「少しでも多くの人の目に触れるように」と思い、一項目立てて、ここに場所を移しました。

【Posted by ボッピ at 2014年07月16日 11:22】

ハロワ、派遣ともに数えきれないほど空求人にひっかかりました。で、ついさっきも「他の会社にとられちゃいました♪」のおきまりのフレーズで電話がありました。ただでさえ困窮しているのに、交通費、時間、労力すべてムダな空求人は大問題だと思うのですが。毎度「これも空かな‥」とぼんやり考えながら電車に乗っている自分がいます。
以前親しくなった別々の派遣会社社員二名から空求人の実態をきいたことがあります。それをまとめると、

1．ネット(○クナビなど)の枠は一年契約で買い取るが、のせるための肝心の求人自体が手元にないと、サイト側にお金払っている分もったいないので過去の求人や、他社求人などに多少手を加えてのせる。

2．嘘の求人だろうが、派遣会社的には登録者数を増やせる(見栄えがよい)、手持ちのコマが増える、その登録者のプロフィールを営業に使える。

だいたいこんな感じだったと思います。これだと派遣会社は別に何も損することはないし、コーディネーターのヒマつぶしにもなるしで、多少でも良心を持ち合わせている人が担当ならそれがチョピッとかすれる程度なのでしょう。

ハロワの方はもういかなくなりましたが、ハロワの空求人の問題は意外に解決しやすいと思うのは、求人票を記載するのに有料にすればかなり効果があると推測されるからです。タダだからハロワ側からも企業側からもあらゆる思惑(長くなるのでここでは割愛しますが)に利用されてしまうのです。一つの求人につき3週掲載で１万円ほど徴収すれば、それでも民間の媒体よりも安い(ですよね？)し、徴収したお金は生活保護や失業手当を充実させるのに回せるし、もちろん空求人もグンと減らせるでしょう。現状のハロワはロクに求職者の役にたっていないどころか、食い物にされている気分です。

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【ボッピさんのお話の補足】

このボッピさんの文中の「その登録者のプロフィールを営業に使える」は意味が分からない人もいるかもしれません。一例としては、次のような悪用の仕方も実際にありました。

①求人があるわけではないのに、応募させておく。当然、業種・仕事内容・時給などはでっち上げ

②その人のプロフィールを勝手に使って、「こういう人を派遣させることができます」と工場などを廻る

③数軒に一軒でも、「それじゃあ、お願いします」と相手が承知すれば、人材派遣会社には「ラッキー」。ダメでもともと

④その間、応募者には、「検討中です」などと返事を引き伸ばす。で、派遣先が見つからなければ、「あなたの能力では、この仕事は無理」と断りの連絡をする

応募者にすれば……

「採用か不採用か」とジリジリした時間を何日も過ごさせられて、あげくの果てに「能力不足」の烙印を押される。たまたま採用となったところで、応募した案件とは全く関係のない別のもの

……と、いうことになります。

【Posted by ピッパ at 2014年07月22日 20:22】

ボッピさん、こんばんは。また、具体的なお話ありがとうございます。

この種の困った話が、一般的なお店の類ならば、よそに行けばいいだけです。が、ハローワークが職を得るための最有力の手段になっている人も多　　　　　　　いでしょう。代わりになるようなものもありません。

つまり生活の基盤を崩されるような状況です。しかも、どんどん悪化しています。

若い人の中には、「世の中はこんなものだ」と思っている人もいるでしょう。が、違います。ほかの世の中になる機会だって、あったはずです。

対象を広げすぎるような気がして、このサイトであえて触れないようにしているのですが、これは全く政治の問題です。(もちろん、その政治をやる連中は投票で選ばれるので、「一般の人には責任はない」とはいいません。世の中の大人全部でこうしてしまった面はあります)

ここからでも政治を正さないと、どうしようもないのも事実なのです。

ボッピさんが提供してくださったハロワの話にしても、「政治の貧困」がここに出てきています。

つまり、「これを放置したのはだれか」「この状況をしっかり正さないといけないのはだれか」といえば、この国の政治をしている連中以外にありません。

ホッピさんが提案されている方法にしても、「だれがその種の工夫の採用に向けて検討するべきか」といえば、政治家や官僚のはずです。が、残念なことに今は、労働者よりも経営者側の都合しか考えない連中しかいない状態です。

はっきりって国の将来は暗いと思います。

①若年層の人口が減るばかり。

②非正規社員ばかり増えたので、しっかりとした職業人・組織人としての訓練を受けた人が減っている。

③また、非正規社員だと、給料が安いばかりではなく、安定もしないので、お金を使おうにも使えない。

つまり今見えている日本の将来は、「労働者としての質の低い者が増え、しかも消費者としてはあてにできない。しかも、そういった連中でさえ、どんどん数が減っていく」という状況です。

今は目先の利益を追って、労働者をできるだけ都合よく、しかも低い給料で使おうとしている企業側にも、間違いなく跳ね返ってくるでしょう。「自分の会社で働いてくれるような人の質が落ちる。お客さんとして商品を買ってくれる人もいなくなる」のですから。これは特に内需産業には致命傷です。

私には「国が滅びかけている」以外の表現は思いつきません。

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