- http://haken119.blogspot.com
- 労働者側がどんどん不利になるわけ
- 人材派遣と国・産業界
- 派遣化で550万円のコストカット
正社員を派遣労働者に切り替えたら、企業はいくらのコストカットになるか
事業者(企業)が人材派遣の導入に熱心なのはいくつも理由があります。
そのうちのひとつが、「人件費が安くて済む」ことです。が、この言葉だけではぴんとは来ないでしょう。
で、「いったいくら人件費のコスト減になっているのか」をアバウトながら、モデル計算してみます。
出てくる数値は、「私がこれまで調べた中で、よく見かけるものを採り上げた」という程度の根拠であることはご承知ください。
【正社員は、年間の給料500万円でも、実際のコストはその倍ぐらいはかかる】
仮にある企業の正社員が年収500万円だったとします。当然これは、月給とボーナスで直接正社員に支払われた分です。が、それ以外にも、福利厚生を図る必要もあれば、退職金のための積み立て分も必要でしょう。
また、その人の給料計算をし、人事管理するための人員も必要になるでしょう。つまり組織が大きくなって、その分のコストもかかります。
よく聞くのは「会社側から見ると、“人件費”としては給料の2倍かかる」です。中には「3倍」とするものもあります。ここでは「2倍」の方をっ採って、「正社員一人に1,000万円かかる」としておきます。
折りたたむ
【人材派遣会社には450万円払えば済む】
で、この正社員一人を仕事内容はそのままに、派遣労働者に切り替えたとします。人材派遣会社に支払う額が450万円ぐらいならば、当たり前にあるパターンでしょう。
で、人材派遣会社に支払われた450万円がどうなるかです。
厚生労働省の調査を信じるとして、平均的な数値では、約3割強が引かれ、残りの7割弱が派遣労働者の給料となります。つまり150万円程度と300万円程度です。
で、これらの数値を並べて、だれがどれだけ得をして、だれがどれだけ損をしているかを考えてみます。
【企業は550万円得をし、人材派遣会社は150万円ほぼタダ取り】
まずは、企業です。一人の正社員を抱えると給料ほかで約1,000万円のコストがかかっていたのが、450万円で済みます。支払いの計算も複雑なものではなく、人事管理もほぼ不要です。つまり550万円得します。
次に人材派遣会社です。派遣労働者一人につき、年間150万円を受け取ることになります。
はたして、人材派遣会社が、それがふさわしいだけの働きをしているかどうかです。
実際に私が派遣労働者として電子部品工場にいた時も、担当者は実際の私の労働現場も全く知らないままでした。ほとんど「求人広告代行業」ぐらいしかしておらず、「タダ取り」といっていいでしょう。
【派遣労働者になることでの金銭的損失は年間250~300万円、それ以上】
最後に労働者です。給料としては500万円が300万円になるのですから、200万円の損です。が、退職金はありません。退職金は企業間の差が大きい上、簡単な計算ではありませんので、一年に直すと50~100万円としておきます。
また、福利厚生が使えません。これではイメージがわかないと思いますので、ひとつだけ具体例を出しておきます。「派遣労働者は社員食堂を使えないというところさえある」
結論として、「正社員ならば退職金の年換算を含めると600万円ぐらいは受け取っているし、それプラス、金額では表せない恩恵も受けている。が、派遣労働者は300万円しかもらっていない」といったところでしょう。
以上のモデル計算は、派遣労働者の年間の給料が300万円に来るように考えています。実際、各種のデータを見てもだいたい250~300万円になっているようです。
|
それでも人材派遣会社を利用するなら
「求人内容と実際の仕事内容が違う」などのトラブルは、「どうせその程度のもの」と割り切る
あまりにひどい派遣先に当たったら、法律を使って堂々と退職する。基本となる法律は目を通しておく
非正規(パート・アルバイト、派遣社員)から正社員になるには
非正規雇用は長くは続けない。20代で一度は正社員とならないと、新人教育を受ける機会を逃す
就職サポートは担当者次第。業者の評判がいい悪いには関係なく、ハローワークまで含めて、信頼できそうな担当者を探す
|
コメント