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派遣労働者はお客ではなく自社の「商品」。商品の情報をライバルで共有するはずはない
「バックレ」は決してお勧めするものではありません。派遣労働者をやる人、特に若い人によく見られる欠陥は社会人としてのノウハウが貧弱なことです。それに一層拍車をかけます。
が、ここではそれには目をぶつって、バックレ経験者がもっとも気にしていることの一つ、「ブラックリスト」について採り上げます。「要注意人物として、人材派遣会社の間に情報が回る」というのです。
結論を言うと、「人材派遣の世界にそんなものありません」。
【「ブラックリスト」とは金融業者が共有する個人の信用情報】
普通、「ブラックリスト」といえば、消費者金融(サラ金)や銀行などで借金を踏み倒したことのある人たちに関するデータを指しているようです。
これは正しくは「信用情報」といいます。また、これを取り扱うところを「信用情報機関」といいます。信用情報機関はいくつかあります。決してヤミ社会の存在ではなく、単なる民間企業です。
銀行や消費者金融はここに債務者(お金の借り主)に関するデータを提供し、共有しています。
カードキャッシングの加入契約をする、住宅や車のローンを組むといった時には、その個人のデータを照会します。
自己破産というのは、貸した側からすると借金の踏み倒しです。その種の過去があるかどうかをチェックするのです。
このデータの保存は一般的に7年といわれています。
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【借金を踏み倒す客は、金融業者共通の敵】
「債務者」と「派遣労働者」は立場が違います。労働者派遣法の規定上はともかく、現実としては派遣労働者はお客ではなく、売り買いされる商品です。
一方、自己破産した客をレンタカー店の商売に置き換えて言うと、「そのまま車を乗り逃げする客」です。
「Aレンタカー店で代金踏み倒し&車乗り逃げをしたことのあるお客」は、Bレンタカー店やCレンタカー店だって同じことをする可能性は高いでしょう。
しかも、単なる物の売買と違い、お店の被害は代金(貸出金利)だけではなく、車体(元金)まで膨らみます。
A店の被害が、経営が傾くほどでもない限り、B店やC店の利益にはなりません。
また、借金固有の大きな問題があります。返済を焦げつかせているような客はよそにも借金があることがよくあります。「多重債務」というやつです。これを把握するためにも業者間での情報の共有が必要になります。
色々な意味で金融業者には、お客の情報を共有するメリットがあるのです。
【派遣労働者は魚屋のサンマと同じ。バックレは商品価値がゼロ】
一方の派遣労働者は、それ自体が商品ですから、サンマやマグロと同じです。
お店・業者 | 商品 | 客 |
レンタカー店 | 車(を貸すサービス) | 車の利用者 |
魚屋 | サンマ・マグロ | 買い物客 |
サラ金業者 | 金(を貸すサービス) | 債務者(借主) |
人材派遣会社 | 派遣労働者 | 派遣先事業者 |
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サラ金業者が“ブラックリスト”の対象にしているのはあくまで借金踏み倒しの可能性のある「客」だ。
一方、人材派遣会社にとって、派遣労働者はそれ自体が「商品」。これは同業他社間で質を競い合う代物なので、情報を共有することはあり得ない。 |
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バックレの過去のある人間は「以前買っていった人(派遣先事業者)がいるが、まったく食えたものではなかったサンマ(派遣労働者)」です。間違いなく最低の商品です。
お客の取り合いをやっているライバル店が、まったく食えたものではない商品を売って、お客を怒らせるようならば、自分のところの大チャンスです。その客はこの次は自分のところに買いに来てくれるかもしれません。
よそよりいい商品を仕入れることこそが、自分のところの繁盛になります。「あんたのところで仕入れようとしているやつ。それ傷物だよ。商品価値ないよ」なんて教えるはずはありません。そんなことをしたら、ライバル店の“品ぞろえ”を助けてやることになります。
【ネット情報よりも、リアル社会の人に聞いてみよう】
そもそも、「同業他社の横同士の連絡」など、現実にどの程度かあるかは、多少の社会人経験・組織人経験のある人ならば簡単に分かるはずです。
逆に「ブラックリスト」のうわさで不安になること自体が、「大人としての知識・常識」に欠ける証拠ともいえるでしょう。
この種の人に多いのは、情報をすべてネットに頼っていることです。
ネット上のいい加減な書き込みを見て不安になる前に、自分の親、親類、学校の先輩などリアル社会の人で、しっかりとした社会人経験のある人に聞いてみるべきです。人材派遣業の関係者でなくても十分です。
「人材派遣会社のブラックリスト……」などといったら、思い切り笑い飛ばされるはずです。
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