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「個人情報の保護」なんて、人材派遣会社と派遣先の間ではありえない
ほかの雇用形態と労働者派遣とでは個人情報の取扱いがかなり異なります。
というのは、労働者派遣では、基本中の基本として、その人物に関する保証は全面的に人材派遣者が受け持ちます。
なので、実際に仕事でその労働者を使う派遣先とはいえ、人材派遣会社が持つその人の個人情報に触れることができないのです。
が、これはあくまで建前です。現実はダダ漏れです。
【派遣先に伝えていいのは、氏名と性別ぐらい。ほかはすべてNG】
まず、人材派遣会社が派遣先に「通知しなくてはいけない」項目は……
①氏名
②性別
③社会保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無。「無」の場合はその理由。
……以上です。
年齢や住所、電話番号すら必要ありません。これは慣習的にそうなのではなく、「労働者派遣法第35条」などに明確に規定されています。
また、「提出してもいい」というものには、「略歴書」があります。これは「その派遣労働者が派遣業務に適性があることを示すための簡易な経歴書」です。この中でも、個人情報には触れてはいけません。
これらを超える内容を知らせるには、本人の同意が必要です。
これは「事前には」ということではなく、派遣期間中も、期間終了後も同様です。
折りたたむ
【履歴書の内容はすべて伝わっていた。もちろん違反】
これらの話は、少しでもかかわったことのある人は、「アホか」と笑い飛ばすでしょう。
実際に私が派遣先での“面談(事前面接)”を受けたときは、私の個人情報なんぞ相手に筒抜けで、「丸裸」といってもいい状態でした。
面談の当事者は人事部長でした。が、途中から常務取締役がわざわざ顔を出しました。「珍しい経歴の人が来ている」という理由です。事前に知っていた何よりの証拠です。
で、そこからは、ほとんど世間話状態で、ネタは私が元居た会社と学歴でした。「いやぁ、そんな大学の出身者なかなか来ないからねぇ。テレビに出ている○○もOBじゃなかったけ」といった調子です。
【略歴書が張り出しになっていた例もあるらしい】
また、これもほとんど守られているとは思えませんが、略歴書の内容や、当人が自主的に提供した個人情報も、周囲に漏らしてはならいないことになっています。
知っておく必要がある派遣先の人物としては、派遣先責任者と指揮命令者ぐらいまでです。
たとえ同僚となる人たちであっても、当人の承諾なしに紹介してはいけないことになっています。
が、業界団体のパンフレットには、「就業初日に略歴書が社内の掲示板に張り出されていた」「全員に略歴書が回覧されていた」といった例が挙げられています。
以上のことはいずれも「当人の承諾なしではできない」ということです。その派遣先での就職を希望するなど、自分を売り込むために自ら履歴書などを提出するのはなんら問題はありません。
【派遣先への誓約書は拒否できる建前になっている】
また、同じく人材派遣会社が責任を持っているということから、派遣先は誓約書の提出を強要することもできません。
が、現実は「機密を漏えいしません」とか「暴力団とは関係ありません」といったものを出させることがあるようです。法律上は、拒否しても相手は処分はできないことになっています。
こういった類のものが必要になるようであれば、本来は人材派遣会社に提出するべきものです。
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