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- テレビ局の人材派遣兼業①
テレビ局員が働かないのは知っていたが、人材派遣会社まで経営しているとは
「こんなすごい人数がいるのか」とびっくりしたのが、テレビ制作現場の派遣スタッフ。
東京都が2010年、常用型派遣を中心に、人材派遣会社、派遣先、派遣スタッフにアンケートをした。回答した派遣スタッフのうち、「放送番組等演出」が6.0パーセント、「放送機器等操作」が、4.4パーセント。
今の時代ならば、ラジオ局はほぼ無視していいだろう。ほぼ「放送」=「テレビ局」。
【全国の放送局の派遣スタッフは15,000人?】
pickupしたのは「派遣元事業所に雇用されている常用型派遣労働者1,900人」の分のデータから。何らかの偏りはあるだろうから、「東京都内の常用型派遣スタッフ全体の約1割がテレビ関連」と考えるのは早とちりだろう。
が、そう考えても意外な多さだ。
で、「社団法人全国放送関連派遣事業協会」とやらのHPをチェックしてみたら、「会員社従業員数合計、約15,000名」なんだとか。
折りたたむ
【30年近く前にすでに、テレビ局は「うちでは番組はやっていません」】
派遣スタッフがいようがいまいが、テレビ局は大昔から他人のふんどしで相撲を取るシステムになっている。
もう、30年近く前の話。テレビ局の入社試験の面接で、「こういった番組を作りたい」といったら、「それでしたら、プロダクション(制作会社)の方に行ってください。うちではやっていませんから」といわれたやつがいた。
テレビ局員はいわゆる“下請け”の上にふんぞり返っているだけで、現場の仕事はまったくやっていない……なんて、今では常識だろう。でも、少しはこういうウカツなやつも残っているのではないだろうか。
【テレビ局自身が人材派遣会社】
で、さらにびっくりしたのが、その下請けに送り込む人材派遣会社をテレビ局自身がやっている。経営上は子会社にしているが、実質社内の一部門のようなものだろう。
番組制作の実務は下請けに丸投げ。で、その下請け会社はスタッフを人材派遣会社に依存。その派遣スタッフは実はテレビ局から送られている。
これって、かなりの問題ありだろう。
というのは、お金の流れを見ればわかる。
まずCM代金ということで、「テレビ局」に入る。その中から一部が「下請け制作会社」に番組制作費という形で送られる。
これだけならば、おそらくは「業務請負」に近い形だろう。が、今はここに人材派遣が絡む。
東京キー局の100%出資・人材派遣会社
日本テレビ人材センター、TBSサンワーク、フジキャリアデザイン
テレビ東京ヒューマン、トラストネットワーク(テレビ朝日)
テレビ局二重搾取
テレビ局は派遣元を兼ねることで、制作スタッフ(派遣労働者)へ
給料が渡るまでに、二度〝中間マージン〟をとることができる。
【番組制作を丸投げの上に、ピンハネを二重にやるのがテレビ局のシステム】
人材派遣ということでは、「派遣先」=「下請け制作会社」、「派遣元」=「テレビ局」だ。
だから、下請け制作会社がいったんは受け取った中から「派遣料金」がテレビ局へと支払われ、テレビ局がそのうちからマージンを取って、制作スタッフへの給料となる。
つまり、製作費は「テレビ局⇒下請け」と渡り、スタッフの給料は「下請け⇒テレビ局⇒制作スタッフ」と渡る。
つまりテレビ局にしたら、下請けにいったん手渡した金を取り戻して、それをピンハネしてから、派遣スタッフに給料を渡しているわけだ。
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