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- パート・バイト、派遣社員のままいると何が問題か
- 意識しておきたい第二新卒・20代
- 正社員も一度は経験しておかないと大人社会がブラックボックス化する
一回はしっかりと正社員として働くことで、大人社会・会社組織の仕組みを見ておく
【正社員のメリット】
パート・アルバイト、派遣社員などの非正規雇用の労働者と比較した場合に、正社員側にあるメリットは次のようなものでしょう。
・雇用が安定している=定年まで勤めるのが大前提。
・給料が高い=同じ職種であれば、2、3倍違うことが多いです。
・ボーナス・退職金がある=これは「給料が高い」に含めて考えていいかもしれません。非正規の場合は、ボーナスなどはあっても「寸志」といった名目で、金額もガクンと少なくなります。
・福利厚生が受けられる=家賃手当、育児手当、保養所などの利用の権利、などが代表的でしょう。これらがあれば、その分実質的に給料が高いのと同じです。
・仕事上のスキルが身につく=まともなところであれば、特に新人に対する教育制度・研修制度が整っていることが多いです。
・転職する際には経歴として使える=ただし、これの一応のメドは3年以上です。
ただ、「ブラック企業」という言葉に象徴されるように、正社員であっても雇用条件・労働条件がめちゃくちゃなところも増えています。
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【正社員のデメリット】
近年は非正規雇用の比率が増えています。特に20代であれば、非正規雇用と無職を足せば全体の半分にもなるデータが出ています。つまり、正社員で働いているのは、残りの半分でしかありません。
「正社員になりたくても、その募集も少ない」といったところです。ですが、一方で、「正社員はわずらわしい。非正規のほうが気楽でいい」などとして自分で選んでいる(とする)人もいます。
正社員にわずらわしさがあるのは確かでしょう。そのうちのいくつかは、先に挙げたメリットの裏返しです。
・雇用が安定している←→そんな先まで、その勤め先がいい状態かどうかわからない。あるかどうかさえわからない。当てにしていたのを途中で放り出されると、その時は目も当てられない。
あたりが代表的でしょう。
正社員は原則的に終身雇用が前提です。
数年先のこともわからないのに、20年30年先まで自分の身(正確には自分の労働)を売り続けることを予約しているようなものです。
実はこの「予約」は法律上も比較的簡単にキャンセルしていいのですが、普通はそうは考えません。ならば、「怖くなってくる」あるいは「自分はそんな先まで責任を持てない」となる、むしろ当たり前でしょう。
・仕事上のスキルが身につく←→その分、人間関係が面倒。
というのもあります。
「正社員としての採用ならば、先輩や上司も大事にしてくれ、たまには飲みにも連れて行ってくれる」というのも、メリットだかデメリットだがわかりません。
「人間関係の強化」とするならばメリットでしょうし、仕事関係のスキルを覚えるにしても、「昼間・職場だけが教えの場とは限らない」かもしれません。
とはいえ、「単におっさんの自慢話や、意味のない説教……しかも酔っ払った状態でグダグダやられる」だけといった危険性もかなり高いです。
さらには「メリットとされていることが手放せなくて、その職場に縛り付けられ、思考も停止」となると、社畜への道まっしぐらです。
【将来なにをするにも、社会人・組織人についての知識・ノウハウはあったほうがいい】
非正規で働くことのデメリットはいくつもありますが、全体的なことをいえば、「先になるほど状況が悪くなる」です。正社員になれる可能性もどんどん減っていきますし、なれても条件は相当悪くなっているでしょう。
もちろん、なにも正社員となってサラリーマン生活を送るのが唯一の道ではありません。ですが、パート・アルバイト、派遣社員しか経験しておらず、特にほかの世界も持っていなければ、ほかの道だってありません。
思い切って……
「正社員になり、組織人とし働き、そこで身につけるノウハウやスキル」は、「この先、独立して自分で何か仕事を始める。会社などの組織とは無縁で過ごす」にも、あるいは、「ちゃんとスキルを持った派遣社員などになり、中途半端な正社員よりも高い給料で働き続ける」にも、土台となる部分である
……と、断言しておきます。
できれば、3年以上、それが無理ならば1年でもいいから、正社員の経験はしておくべきです。でないと、「会社」「大人社会」「組織」といった世の中を動かしているもの・多くの人が当たり前に知っているものが、ブラックボックス化します。
ブラックボックス化の例をひとつ挙げると……「派遣で働いていた時にバックレた。そのせいでブラックリストに載ってしまい、正社員の募集はどこも落ちてしまう」と悩んでいる人がたまにいます。
これなど、「会社」「大人社会」「組織」を知らない典型です。正社員として会社の中を見たことがあれば、「ブラックリスト」(ほかの社にも同じものが出回っているとされるNGの人の一覧)の存在なんぞ、決して信じることはないでしょう。
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