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人材派遣会社はここまであくどい
【離島応援ナースとは】
「離島応援ナース」に直接関係するのは看護師さんだけです。ですが、「人材派遣会社はこのくらいモラルの低い人たちがやっている」ということがよくわかる例なので紹介しておきます。
もちろん、看護師さんは要注意です。
こんな募集を目にしたことはないでしょうか?
「都会の生活で疲れた看護師さん。南の島で短期間働いてみませんか。リフレッシュしますよ」
「病院のすぐそばはビーチ。お休みの日にはマリンスポーツも楽しめます」
リゾート地のホテルなどが、住み込みのスタッフを募集する「リゾートバイト」というのがありますが、その看護師版……といったところです。
都会でも看護師不足は深刻なのですから、地方、それも離島ともなると、看護師集めに必死なのは当然でしょう。
ふしぎなことにこれらの「離島応援ナース」は例外なく……
・期間は最大6か月
・採用の面接を受けに現地に行く必要なし。都会の事務所で採用が決まります
……となっています。
折りたたむ
【紹介予定派遣であることは説明しない】
これは業者側が決めていることではありません。
明示されていることは少ないです。また、あっても募集広告の隅っこに小さく書かれています。実は、これは「紹介予定派遣」なのです。
「紹介予定派遣」は、「派遣期間の終了時に、派遣先と派遣社員の両方が合意すれば、そのまま直接雇用に切り替えることができる」という人材派遣の一種です。
あくまで、「直接雇用」なので、直接職場に雇われるパートやバイトに切り替えるだけでもOKです。ですが、法律の趣旨としては正社員を念頭に置いているはずです。
「離島応援ナース」の期間が最大6か月なのは、労働者派遣法でそう決められているからです。
また、「現地に行く必要はなし」というのは、これも労働者派遣(人材派遣)の決まりごとです。
実際には派遣先による「事前面接」が当たり前になっていて、法律も空文化しているのですが、本来は派遣社員の採用は人材派遣会社が決めます。派遣先は、人材派遣会社から送られてきた人は拒否できないことになっているのです。
もし、逆に「現地に行って、病院側の面接も受ける」となると、それは事前面接以外のなにものでもなく、労働者派遣法違反です。
【何もしない人材派遣会社に料金が入り続ける】
職業紹介(アルバイト・パート紹介)ならば、紹介されて働き始めたら、そこで業者との関係は終わりです。
ところが人材派遣になっていると、その人が働き続けている間ずっと、その派遣さんが給料をして受け取る金額の半分程度が、人材派遣会社の取り分になります。
「人材派遣会社はずっと派遣さんのフォローをするなどまだ役割がある」ということになっているので、料金も発生するのです。
ですが、一般的な人材派遣でも、「派遣先に送り込んだら後は放ったらかし。何が起きても、『がまんしてくれ』しかいわない」というのが当たり前になっています。
「離島応援ナース」となると、もっと状況は悪いです。
この状態で本当にトラブルが起きたらどうするのか……看護師さんならば、患者に対する医療ミスも起こりえますし、自分自身がケガをしたり感染症にかかる可能性も高いです。
オフィス系の派遣と同様に、「職場の人間関係が悪い」「聞いていた話と仕事内容が違う」「残業が多いなど、勤務状況が厳しい」などなどの問題が発生する可能性もあります。
派遣さん(派遣社員)のトラブルに対しては、派遣先と人材派遣会社の両方が責任を負っていることになっています。
「派遣先は交通の便のよくない離島。人材派遣会社の担当者がいるのは、東京や大阪などの都会の事務所」です。
状況の把握も、自体の解決もできるはずがありません。おそらくは、派遣先の病院に行ったこともない担当者がほとんどでしょう。
「トラブルの解決のために尽力してもらう」など、どう考えても無理です。
【看護師の人材派遣は原則的に禁止】
ちなみに、医師・看護師などの医療関係者はいくつかの条件の厳しい例外を除き、人材派遣は禁止されています。
その例外の一つが、紹介予定派遣です。もちろん、本来は正社員の働き手が欲しい企業や病院が利用し、正社員になりたい人が応募するためのものです。
「数か月だけ、環境の違うところで働く。それでリフレッシュしたら、また都会の生活に戻る」といったことのためにあるシステムではありません。
つまり、「離島応援ナース」は、「どんなことでもいいから、看護師に来て欲しい」というへき地の医療機関と、そこに金もうけのチャンスを見つけた人材派遣会社が、人材派遣のシステムの抜け道を見つけてやっていることなのです。
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