テレビ局が人材派遣を兼業する理由②
TOP 労働者側がどんどん不利になるわけ マスコミと人材派遣 テレビ局の人材派遣兼業② テレビ局には、外部スタッフの社員化で成功した例がある。が、忘れ去られているらしい テレビ局が人材派遣会社を持つことが何が問題か、図にして考えてみる。 一番はっきりと違いになっているのは、単なる下請けならば、制作スタッフの給料は制作会社が支払う。が、人材派遣の形をとると、名目上は子会社とはいえ、実態としてはテレビ局が支払うことになる。 テレビ局 下請け構造図 【番組制作会社で働いているのに、テレビ局が給料の額を決め、人事権も持つ】 つまり、「A君の基本給は20万円、Bさんは25万円」とか、「時間給を1,500円から、1,200円に下げる」というのは、テレビ局の方で決めることになる。 もちろん、単なる下請けの形でも、お金の出どころはテレビ局なのだから、そこから制作会社に手渡す分の増減が、制作スタッフの給料にも影響するだろう。それでも給料の額は制作会社が決めることができる。 しかも、労働者派遣法の定めでは、派遣先(制作会社)は派遣社員(制作スタッフ)の採用・不採用の判断はできない。雇用するかどうかの権限はあくまで、派遣元(テレビ局)にある。 「人材派遣を使うことで、テレビ局は制作会社の下で働いている制作スタッフまで直接支配できる」といっていいだろう。 続きを読む 折りたたむ 【特権階級化を当たり前と思うテレビ局員】 ただ、現実はこの図のように単純ではないだろう。同じ現場に制作会社から直に雇われた人間と、テレビ局の子会社からの派遣スタッフが混在しているだろう。 また、下請けにしても、孫請け、ひ孫請けが入り、そのそれぞれに派遣スタッフがいたりいなかったりするだろう。 元々、テレビ局の世界は、テレビ局員という特権階級を作り、下請けという立場の弱い人間を便利に使うことで成り立っている。 テレビ局員の給料が高いのはそのおかげだ。 2000年ころからの数年間、日本中の全上場企業の中で、最も平均給与が高かったのはフジテレビだった。 【コネ入社の無能でも務まる程度の仕事しかしない】 が、このフジテレビは、コネ入社の多いテレビの世界でも、特に多いのはだれでも知っているだろう。 多少内部の状況を知っているから断言するが、一般に考え...