投稿

12月, 2016の投稿を表示しています

有効求人倍率は、“有効”ではない。参考にならない

イメージ
TOP パート・バイト、派遣社員のままいると何が問題か 意識しておきたい第二新卒・20代 有効求人倍率は、参考にならない 有効求人倍率の数字にだまされ、「なんで就職できないんだ。正社員になれないんだ」と焦らないように 【有効求人倍率とは】 有効求人倍率は、「求人数÷求職者」で出されます。1.0倍であれば、企業などが欲しいとする人数と、就職・転職したいという人の数が同じということになります。一応のメドとしては、この1.0倍が就職難かどうかのわかれ目とされています。 最新の数字(2016年11月)では1.41倍で、「過去最高」でした。 この数値を見て、「こんなに就職しやすい時期に居合わせたのに、なんで自分は就職できないのだろう」と焦りを覚えるような人もいるでしょう。 あるいは、家族などから、「しっかりしろ」と発破をかけられているような人もいるかもしれません。 ですが、これ、うのみにしてはいけません。かなりインチキな数字なのです。 続きを読む 折りたたむ 【ハローワークの数字だけが元になっている】 まず、この数字にはパート・アルバイトも入っています。 正社員と常用(常時雇用)フルタイムだけでみるならば、0.95(2016年11月)です。まだ1.0倍に達していません。 それと、正社員などだけにしろ、パート・アルバイトなどまで含むにしても、これはあくまでハローワーク(職安、職業安定所)を通したものだけです。 昔ならば、職を探すには職安を使うか、個人的なツテを頼るか、新聞の求人広告をチェックするかだったでしょう。 ですが今は、職業紹介会社(正社員、パート・アルバイト)、人材派遣会社などもあります。むしろこちらを優先的に考える人も多いでしょう。 ハローワークの重要性はかなり下がっているのです。「過去最高」といっても、比べる数字の意味が全く違います。 【空求人の問題は全く対応なし】 この有効求人倍率を信じてはいけない、さらに大きな理由があります。「空求人」が野放しになっているのです。 空求人は、「釣り広告」「釣り求人」などとも呼ばれます。早い話が、「実際に人が必要なわけではないのに、出してある偽の募集」です。 なぜ、このようなものがあるかはその会社や、ハローワークを通して人を集めている人材派遣会社の事情それぞ...

「ブラックリスト」など馬鹿げた情報に振り回されない---パート・アルバイトから正社員へのステップ---

イメージ
TOP パート・アルバイトから、派遣社員、ニートから正社員へのステップ 就職関連の情報とどうつきあうか 「ブラックリスト」など馬鹿げた情報に振り回されない よそでやったパート・アルバイト、人材派遣の情報が採用試験に伝わるわけがない 【ブラックリストとは】 「ブラックリスト」は単に「NGの人やものの名簿」というだけです。「異性としてお付き合いできないタイプ」「買ってはいけないモノ」ということもあれば、歴史上は「暗殺すべき相手」というものもありました。 就職市場でいわれる場合は、「パート・アルバイト、派遣社員などで働いていた時にトラブルがあった人の名簿」ぐらいのことが多いようです。「やっていたバイトをバックレたことあるので、どこの面接を受けても採用されない」といった具合です。 それが人材派遣会社を通しての仕事であったならば、同じ人材派遣会社には使ってもらえないことはあるかもしれません。ですが、そんなものは「ブラックリスト」というよりも、単なる社内の記録です。ある方が当然です、業者側も遊びでやっているわけではありませんから。 続きを読む 折りたたむ 【不安な心理につけこまれて、おちょくられている】 問題になるのは、「人材派遣会社同士が共有している」とか、「正社員の採用試験などでもチェックされている」とされるものです。 ありません、そんなもの。 ネット上で話題にされているのも、いずれも「あるらしい」とか、「バックレをやったら、ブラックリストに載りますよ」という話ばかりです。これだけ暴露話が横行しているのに、「人事部にいたことがあり、実際に見たことがある」「人材派遣会社で、私は作った」という話はありません。あっても、先にいったように社内向けのものだけです。 何でもかんでも真に受ける人相手に、おちょくっているだけです。あるいは当人もうわさだけで真に受けるタイプの人です。 【デマに踊らされるのは、やはり正社員の経験がないせいかも】 業種によっては、同業者同士の交流がある場合があります。ですが、せいぜい飲み会や勉強会・研修会があるぐらいです。そんな場で社内の秘密に当たるような情報を交換することはありません。 それに同業同士ならば、競争相手です。いくら親しくしても、絶対に超えないラインがあります。自分のところに来ていたパート・アル...

パート・アルバイト、派遣社員、契約社員から正社員になれるか

イメージ
TOP パート・バイト、派遣社員のままいると何が問題か 意識しておきたい第二新卒・20代 パート・アルバイト、派遣社員、契約社員から正社員になれるか あるとしたら個人経営規模のところに限られる 【パート・アルバイト出身で社長にまでなった例もあるが……】 牛丼の吉野家(吉野家ホールディングス)の社長だった安部修仁は、吉野家で働き始めた最初はアルバイト、BOOK OFF(ブックオフコーポレーション)の社長だった橋本真由美は同様にパートです。 非正規雇用から正社員となっただけではなく、東証一部上場企業の経営者にまで出世したわけです。 「スタートが非正規雇用でも、このぐらい可能性がある」といいたいところですが、いくつも注意点があります。 どちらも当時の社長や創業者に直接評価され、正社員に採用されています。つまり、「ただのアルバイト・ただのパートでも経営者らが日常的に仕事ぶりが見られるぐらい、従業員数が少ないところ」でないと、こういったことは起こらないのです。 吉野家やBOOK OFFでこの二人が抜てきされたのは、まだ創業時に近く、小さな経営規模だった時代です。 続きを読む 折りたたむ 【大企業では非正規雇用から正社員になれない理由】 企業が大きくなると、ちゃんと人事部ができます。正社員の定期採用も行いますので、このような経営トップ個人の判断で勝手に社員を採用することもできなくなります。 その上、非正規雇用と正規雇用では採用する基準が違います。 当然、どちらもその企業ごとに基準は異なります。ですが、非正規ならばおおよそのところ、「自分勝手な判断で動く」という人だとわかったら敬遠されるでしょう。 というのは、パート・バイトなどのやったことは、その面倒を見ている正社員の責任になるのです。「自分の知らないところで、何をされるわからない」というのは恐怖でしかありません。 正社員の場合、最も重要なのは、新卒やそれに近い場合は「将来性」、途中採用の場合は「即戦力」です。パート・アルバイトに対してそんなものチェックしていません。 契約社員・派遣社員の場合は本来は即戦力として採用したり、派遣会社に依頼するはずです。ですが、現実としては、目先の人手不足を埋めるだけが目的になっています。いわば「間に合わせ」ですので、ろくに人材としての判...

職業紹介会社と人材派遣会社の違い---パート・アルバイトから正社員へのステップ---

イメージ
TOP パート・アルバイト、派遣社員、ニートから正社員へのステップ 就職関連の情報とどうつきあうか 「ブラックリスト」など馬鹿げた情報に振り回されない 職業紹介よりも人材派遣のほうがウマ味のある商売らしい 【案外紛らわしい職業紹介会社と人材派遣会社】 正社員になる時に使うのは職業紹介会社です。パート・アルバイトも職業紹介会社です。派遣社員の場合は人材派遣会社です…… わざわざ書くと、「当たり前のこと」と怒られそうですが、この区別がついていないせいでのトラブルが実際に起きています。 一例だけ挙げると、「高校の就職課からの紹介で就職した。自分では正社員のつもりだったのに、派遣社員だった。担当の先生からもそんな説明はなかった」ということもありました。 これらの業者が職業紹介と人材派遣の両方を兼業していたり、募集ではしっかりと表示されていない場合があるのも、間違ってしまう人がいる理由でしょう。 続きを読む 折りたたむ 【職業紹介の場合、業者がもうかるのは1回限り。人材派遣はずっと】 どちらも、自分のところが扱った人を、依頼主のもとに送り込めば成功です。お金を受け取ることができます。 ですが、その受け取り方はかなり異なります。 職業紹介会社の場合、応募者が採用されたら、依頼主(企業など)から「紹介料」を受け取ります。お金のやり取りは一回だけです。これで、就職した人との関係はなくなります。依頼主の方でさらに人を必要とでもしていないかぎり、依頼主とも関係は終了です。 料金は、業者によって違いますが、おおまかには「その紹介した人の1か月の給分」ぐらいがめどです。月給25万円ならば、紹介料も25万円ということですね。 一方、人材派遣会社の場合は、自分のところが取り扱った人(派遣社員)が働き続けている限り、「派遣料金」を受け取り続けます。派遣社員の給料はその中から出されます。 というのも、人材派遣の場合、雇い主は人材派遣会社です。派遣社員はそこから派遣先に貸し出されている形です。派遣社員と派遣先の間には、契約もなに一つありません。 人材派遣会社の取り分は30パーセントかそれ以上のことが多いです。派遣社員の時給が1,000円ならば、派遣会社にはその時間ごとに500円、1,500円ならば700-800円ということです。「派遣社員が...